▲鉄道車両用空調装置(屋根上集中式)の新製品
三菱電機は,鉄道車両用(屋根上集中式)空調装置の新製品を発売した.
本製品は,開閉度の調整が可能な「可変ダンパー」を国内で初めて採用することで省エネ化を図るとともに,摩擦帯電フィルタや電流センサの導入によって省メンテナンス化を実現している.同社は,設計の標準化や標準部品の採用を通じて製品の納入安定化を図り,車両運用コストの削減と持続可能な鉄道輸送への貢献を目指す.
開発の背景には,脱炭素社会に向けた消費電力低減の必要性と,新型コロナウイルス発生以降に高まった車内換気の重要性がある.特に外気温との差が大きい時期は,換気による熱負荷増大が空調装置の消費電力を増加させる課題となっていた.また,労働人口減少にともなう人手不足から,鉄道機器のメンテナンス効率化に対するニーズも急速に高まっている.
▲乗車率に応じたダンパーの調整イメージ
本製品の最大の特徴は,乗車率に応じてダンパーの開閉度を制御し,外気の取り入れ量を最適化する点にある.乗車率が高い場合には新鮮な外気を最大限に取り入れる一方,低乗車率時には取入れ量を調整して換気による熱負荷を抑制する.
さらに,車内温度が外気温度よりも一定以上高い場合にはダンパーを全開にして低温の外気を取り入れ,冷房の稼働率を抑制する仕組みも備えている.これらの高度な制御により,年間消費電力量は従来製品と比較して最大約14.4%低減される.
▲摩擦帯電フィルタイメージ
保守面においては,集塵率の高い摩擦帯電フィルタの採用が大きな効果を発揮する.空気中の花粉やウイルス,粉塵の捕集能力が向上したことで,室内熱交換器の汚損が抑制され,清掃周期を従来の約2倍に延伸することが可能となった.
加えて,空調装置の全電流を常時モニタリングする電流センサを搭載した.これにより,異常電流の検出による冷媒ガス漏れ検知などが可能となり,従来は作業員が車両ごとに手作業で行っていた点検業務の大幅な効率化に寄与する.
製品のおもな仕様は,冷房能力が58.14kW,暖房能力が6kWで,外形寸法は4092mm×2140mm×376mm,質量は645kg(±5%)となっている.
画像はすべて三菱電機提供











