日立製作所のグループ会社である日立レールは,スイス連邦鉄道(SBB)とフレームワーク契約を締結し,スイス全土の鉄道ネットワークに先進的なデジタル信号技術を提供することを発表した.
本契約は,SBBが総額約15億ユーロ(約2745億円)と見積もる包括的なプログラムの一環である.この画期的なプロジェクトにより,今後20年間で既存の連動装置の約80%を更新する計画としている.
連動装置は信号機や転てつ器を連動させて車両の進路を安全に制御する重要な装置であり,日立レールは最新世代のデジタル連動装置や無線閉塞センターを提供することで,全国的な車上信号システムの導入を技術面から支える.デジタル連動装置の導入は,線路設備の簡素化や保守作業の削減,環境性能の向上を図ることが期待されている.
日立レールのソリューションは,欧州の新標準規格(EULYNX)に準拠したスマート制御装置を採用している.この装置は転てつ器や信号機の制御・監視を行なうだけでなく,センサ情報を含む設備の状態データを収集・報告する機能を備えており,データ利活用による予知保全を可能にする重要な役割を果たす.
本フレームワーク契約の初期期間は10年間だが,オプションにより納入フェーズを最大25年間まで延長することが可能となっている.また,初期契約には提供されたシステムに対する25年間の保守・サポートが含まれており,長期にわたる安定的な運用体制が構築される.
各金額は1ユーロ=183円で換算
画像:日立製作所提供













