鉄道ファン2026年1月号(通巻777号)
『鉄道ファン』2026年1月号
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JR東日本,「ご当地Suica」サービスを2027年春から導入へ
〜群馬県と宮城県で先行導入〜

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JR東日本,「ご当地Suica」サービスを2027年春から導入へ

JR東日本は,グループ経営ビジョン「Beyond2034」で掲げるライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)の実現に向け,Suicaを「移動と少額決済のデバイス」から「生活のデバイス」へと進化させると発表した.

 同社は,自治体や地域住民とともに,マイナンバーカードと連携したモバイルSuicaに地域独自のMaaS(Mobility as a Service)と生活サービスを一体化させた「ご当地Suica」を導入する.これにより,地域に点在する「不(不便・不安)」と「負(負担・負荷)」という課題を解決し,四方良しの地方創生の実現を目指す.

JR東日本,「ご当地Suica」サービスを2027年春から導入へ

 「ご当地Suica」のサービスは,2027(令和9)年春に群馬県内と宮城県内で先行スタートする予定.JR東日本のSuica機能に,群馬県で培われたMaaS(GunMaaS)と宮城県で実装されている生活サービスを組み合わせることで,「ご当地Suica」を実現し,両県に新しい当たり前を創出するとしている.

JR東日本,「ご当地Suica」サービスを2027年春から導入へ

 「ご当地Suica」は,モバイルSuicaとマイナンバーカードの連携により,地域に最適化されたMaaS機能と生活サービス機能を提供し,地域をDX化する.
 移動における利便性の向上としては,Suicaをタッチするだけで,居住地・年齢などに応じた交通助成割引を受けることが可能となる.また,通常の経路検索に加え,デマンド交通やシェアサイクルといった地域独自のモビリティを含めたエリアを網羅したリアルタイム経路検索とシームレスな予約を実現し,公共ライドシェアや児童・生徒の送迎などの地域モビリティの実装支援により,交通空白を解消する.
 さらに,改札出場時にモバイルSuicaが地域の「ご当地Suica」に切り替わる機能を加えることで,観光型MaaSを超えた地域に応じた交通情報やお得なチケット情報を取得・利用可能とし,二地域居住やふるさと住民へも対応し,都市から地域への関係人口の創出や移住を促進する.

JR東日本,「ご当地Suica」サービスを2027年春から導入へ

 生活サービスでは,地域生活の不便や負担を解決する.例えば,従来は平日に会社を休み窓口に行く必要であった子育て申請や給付金申請などをオンライン申請で可能とし,時間と場所の制約をなくす.
 加えて,自治体からのお知らせや情報配信,公共施設・医療機関の受付,避難所での入退管理による効率的な救援物資の配布,安否確認などの防災サービスまで,地域生活に不可欠な情報連携・利用サービスを一体で提供することを目指す.

JR東日本,「ご当地Suica」サービスを2027年春から導入へ

 地域のDXとまちづくりへの貢献では,「ご当地Suica」の移動データを活用した「ご当地OS」により,地域全体の移動データを可視化し,公共交通の効率的な設計・運行に貢献,地域交通の負荷軽減を実現する.また,コード決済サービス「teppay」とも連携し,特定の地域で利用できる「地域限定バリュー」や「地域クーポン」の活用によりキャッシュレス化を促進する.

JR東日本,「ご当地Suica」サービスを2027年春から導入へ

 さらに,Suicaの移動データを活用することで,子どもやお年寄りの見守りサービスにも対応した「お気遣いサービス」の実現を目指し,不安のない安全・安心な社会を当たり前にする.

JR東日本,「ご当地Suica」サービスを2027年春から導入へ

 2028(令和10)年度以降は,地域連携ICカードとの連携,地域交通定期,独自ポイント,施設の受付,防災サービスのさらなる充実などの機能拡張と,導入エリアの拡大を進める計画である.
 JR東日本は,先行地域で磨いたモデルを各地へ広げ,地域住民とともに地方の新しい「豊」を創出していく方針であり,「ご当地Suica」は,地域の「不」と「負」を解決する生活のデバイスとなるとしている.

画像はすべてJR東日本提供

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