鉄道ファン2026年1月号(通巻777号)
『鉄道ファン』2026年1月号
2025年11月20日発売
特別定価1400円(税込)

西武,2026年3月14日に運賃改定を実施
~同日から「小児均一運賃」の導入と「こども全線定期券」の発売も開始〜

西武40000系 ロングシート車

写真:西武鉄道40000系ロングシート車  編集部撮影  小手指車両基地にて  2020-2-27(取材協力:西武鉄道)

西武鉄道は,2025(令和7)年7月23日(水)に国土交通大臣から鉄道旅客運賃の上限変更を認可されたことを受けて,2026(令和8)年3月14日(土)に運賃改定を実施すると発表した.

 改定率は,現行運賃に鉄道駅バリアフリー料金を含めた場合の合計で10.7%となる.種別ごとの改定率は,普通運賃が11.9%,通勤定期が10.0%となるが,通学定期は0.0%で据え置かれる.
 初乗り運賃(4キロまで)は,ICカード運賃で現行の157円から169円に改定される.通勤定期については,普通運賃の値上げ幅にあわせた改定が実施され,割引率は37.2%(現行35.8%)となる.通学定期は家計負担に配慮し運賃が据え置かれ,割引率は83.4%(現行81.4%)となる(いずれも鉄道駅バリアフリー料金を含む).運賃改定にあわせ,鉄道駅バリアフリー料金制度による運賃への料金加算は廃止されるが,施設整備は継続して実施される.

西武,2026年3月14日に運賃改定を実施

 運賃改定前の3月13日(金)までに購入した各種乗車券は,有効期限終了まで利用できる.また,使用開始日が改定後の3月14日(土)以降であっても,3月13日(金)までに購入する場合は旧運賃で発売される.ただし,3月14日(土)以降,運賃改定前に購入された定期券を利用して乗り越しした場合の精算額には,新運賃が適用される.なお,運賃改定前の3月13日(金)までに購入した定期券の払戻し額は,改定後の3月14日(土)以降も旧運賃を基準に計算される.
 大人運賃の例として,高田馬場—小平駅間の通勤定期券(6ヵ月)は,旧運賃6万5180円に対し新運賃7万3170円となり,7990円の増額となる.旧運賃は3月13日(金)の終電車までは,日付が3月14日(土)に変わった後でも適用される.

西武鉄道30000系

写真:西武鉄道30000系  編集部撮影  南入曽車両基地にて  2008-3-6(取材協力:西武鉄道)

 運賃改定日にあわせて,小児運賃を全線で均一とする「小児均一運賃」の導入と小児用PASMO限定の「こども全線定期券」の発売も開始する.
 小児均一運賃は,普通旅客運賃として,小児1円単位運賃(IC)が,西武線内の全区間において1乗車50円均一となる.定期旅客運賃についても均一化され,小児通学定期運賃(磁気・IC)は1ヵ月一律500円,小児通勤定期運賃(磁気・IC)は1ヵ月一律1000円となる.
 「こども全線定期券」は西武線全線フリーの定期券となるが,他社線連絡定期券とすることはできない.他社線連絡定期券を希望する場合は,購入時に区間の設定が必要な通常の通勤定期券を購入する必要がある.また,通学を目的とする場合は,通学証明書に記載の通学区間(自宅最寄り駅—学校最寄り駅)にもとづく通学定期券を購入する必要がある.定期券区間外へ乗り越しした場合は,別途その区間に対する運賃が発生する.
 小児定期券の値下げにともない,買替えを希望する利用客のための期間を3月14日(土)から4月30日(木)まで設定し,定期券発売窓口や払戻し取扱駅で対応する.3月14日(土)以降に同じ区間の定期券を新規で購入し,使用中の定期券については日割(1日単位)かつ無手数料で払戻しが行なわれる.なお,運賃値下げに伴わない払戻しについては,従来どおりの取り扱いとなる.
 運賃改定の詳細については,「運賃改定のご案内パンフレット」(PDFファイル)でも案内されている.パンフレットは,西武線各駅においても2025(令和7)年12月中旬から,順次配布される.

一部画像は西武鉄道提供

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