写真:阪急電鉄1000系 編集部撮影 西宮車庫にて 2013-11-22(取材協力:阪急電鉄)
阪急電鉄は,2022(令和4)年に阪急阪神ホールディングスが発表した「梅田ビジョン」の実現に向け,「大阪梅田駅の将来のありたい姿」を策定し,その具体に向けて,2026(令和8)年1月から同駅のリニューアル工事に着手することを発表した.
阪急電鉄では,大阪・梅田エリアを「世界と関西をつなぐ国際交流拠点」とすることを目指す「梅田ビジョン」の主要プロジェクトの一環として,駅周辺の価値向上を目的とする「芝田1丁目計画」を進めている.駅リニューアルは,この「芝田1丁目計画」と連携し,ターミナル駅と周辺エリアが一体となった「国際交流拠点」にふさわしい複合機能拠点の創出を目指す.
▲3階のリニューアル工事のイメージ
「大阪梅田駅の将来のありたい姿」は,3点を柱とする.1点目の『「すべてのお客様に居心地の良さを」インクルーシブな空間の実現』として,年齢や国籍,心身の特性など多様なバックグラウンドを持つすべての利用客が,安心して利用できる駅空間を創造する.具体的には,バリアフリールートのさらなる充実,全ホームへの可動式ホーム柵の設置を進める.
2点目の『「つながる駅、広がるまち」シームレスな移動環境の実現』として,駅と周辺のまちとの回遊性を高め,シームレスに行き来できる移動環境を目指す.周辺エリアと連携した動線の整理・強化や,タッチ決済などのインバウンド対応乗車サービスの提供を進める.
3点目の『「ここにしかない風景、ここでしかできない体験」レガシーの継承と進化』として,マルーンカラーの電車が並ぶホームやにぎわいに満ちた待ち合わせ空間など「阪急らしさ」を継承しながら,新たな感動を生み出す体験を提供し,特別な場所へと進化させる.光や緑の要素を取り入れた空間づくりや,イベントスペースの活用,デジタル技術を活用した情報発信などを進める.
写真:阪急電鉄2000系 編集部撮影 平井車庫にて 2025-1-18(取材協力:阪急電鉄)
「将来のありたい姿」を早期に実現するため,初期段階として,3階コンコース・ホームを中心としたリニューアル工事を実施する.駅設備の充実やゆとりのあるコンコース空間を実現するため,各線の列車が停止する位置を約14m十三方に移動させる.変更時期は,神戸線が2026(令和8)年1月ごろ,宝塚線が2026(令和8)年春ごろ,京都線が2026(令和8)年秋ごろとしている.位置変更後,多機能トイレ,授乳室,カームダウンスペースなどの駅設備の拡充を図る.
また,茶屋町口改札口にエレベータを新設し,バリアフリー経路を整備する.工事着手は2026(令和8)年春ごろの予定.大阪梅田駅の全ホームに可動式ホーム柵を設置し,安全性の向上を図る.設置は2031(令和12)年ごろから順次実施していく予定としている.
一部画像は阪急電鉄提供












