鉄道ファン2025年12月号(通巻776号)
『鉄道ファン』2025年12月号
2025年10月21日発売
特別定価1400円(税込)

西武,新形レストラン列車を新造へ
〜2028年3月運行開始予定〜

西武,新形レストラン列車を新造へ

▲車両外観イメージ

西武鉄道は,新形レストラン列車を新造し,2028(令和10)年3月から運行を開始すると発表した.

西武 旅するレストラン 「52席の至福」

写真:西武 旅するレストラン 「52席の至福」  編集部撮影  2016-4-14

 車内のレストラン開発・営業を進めるパートナーとして,株式会社バルニバービを迎え,両社で新形レストラン列車を運行する.
 西武鉄道では,2016(平成28)年から全席でフルコース料理を味わう『西武 旅するレストラン 「52席の至福」』を運行し,これまでに8万人以上が乗車しており,東京都内を発着する唯一のレストラン列車で過ごす特別な体験において高い評価を得ている.

西武,新形レストラン列車を新造へ

▲客席車両のイメージ

 新造する車両は001系「Laview」をベースにした4両編成で,厨房車両1両(3号車),客席車両3両(1・2・4号車)で構成される.
 「Laview」と同じく,妹島和世建築設計事務所がデザインし,「Laview」をベースとしながらも,外観はさらに映像的な佇まいとなるように,また内部はやわらかな印象を感じるように家具をデザインする.大きな窓からの西武線沿線の風景を背景に,家族や友人など親しい人との食事のひとときが引き立つ,特別な時間を味わえる車両を目指す.
 車内は,景色や乗客,料理などの主役が強調されるようにグレーを基調としたトーンとし,テーブルの料理やお皿が引き立つようにスポットライトやテーブルライトを設置する.

西武,新形レストラン列車を新造へ

▲先頭車両(1号車)個室のイメージ

 また,先頭車両(1号車)には,西武鉄道では初めてとなる8名程度の個室を1部屋設け,前方展望も楽しめる贅沢なプライベート空間とする.
 車内で調理したフルコース料理を全席で提供するために,3号車1両をすべて厨房車両とする.約70名の乗客全員に,バルニバービグループ総料理長・大筆秀樹が監修する料理を熱々のまま提供する設備にこだわり抜いた,厨房面積が「日本一の厨房車両」が誕生する.

※現在,日本国内で定期運行されている列車における厨房エリア面積との比較(西武鉄道調べ)

 新形レストラン列車は臨時電車として,おもに池袋線・新宿線・西武秩父線などで,週末(金曜・土曜・日曜・祝日)を中心に年150日程度運行するほか,平日の貸切運行なども想定している.

西武,新形レストラン列車を新造へ

▲厨房車両(3号車)のイメージ

 料理・サービス提供を担当するバルニバービは,「食から始まる日本創再生」をビジョンに掲げ,東京・大阪はじめ全国に102店舗のレストラン・カフェ・ホテルを展開している.兵庫県淡路島では,「食」を基盤に創り出す新しい地方創再生プロジェクト「Frogs FARM ATMOSPHERE」を進め,淡路島内で24施設の飲食店や宿泊施設などを営業している.
 今回,西武鉄道が新形レストラン列車にかける意気込みとバルニバービのビジョンや実績が共鳴し,両社がパートナーとして新形レストラン列車を運行することになった.
 なお,現行のレストラン列車である4000系「52席の至福」について,2028(令和10)年3月以降の運行形態は未定となっている.

※本リリース内の画像は,すべてイメージです.実際とは異なる場合があります.
※記載の数値は,2025(令和7)年9月末時点です.

一部画像は西武鉄道提供

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