
写真:JR東海N700S量産車 目黒義浩撮影 小田原—熱海間にて 2020-10-25
JR東海では,自動運転システム「GOA2」(運転士が運転室に乗務する自動運転)の導入に先行し,定位置停止制御「TASC」を,2026(令和8)年秋から東海道新幹線の全駅・全営業列車で運用開始すると発表した.「TASC」が新幹線の営業列車に導入されるのは初めてとなる.
これは,「TASC」を新幹線へ本格的に導入する技術開発の見込みが立ったためで,これにより,列車が駅で停止する際に自動でブレーキをかけて,所定停止位置により精度高く停止させることが可能となる.手動での停車ブレーキと比較して,停止にかかる平均的な時間を短縮できるため,ダイヤの更なる安定性向上を実現できる.
また,停止位置の精度が向上するため,駅ホーム上の可動柵の扉を短くすることができ,今後,東海道新幹線に設置または老朽取替する可動柵のコスト削減効果も見込んでいる.

▲TASCの導入
自動運転システムの走行試験については,高頻度・高速・大量輸送を行なう東海道新幹線において,自動運転システムが安定して走行できることを実証するため,現在は昼間の営業時間帯にも走行試験を行なっている.これまでに15万km以上を走行し,基本機能に問題がないことを確認しており,引き続き,導入に向けてブラッシュアップする.
2028(令和10)年ごろには,「GOA2」の自動運転機能を搭載した車両の導入が計画されており,あわせて,運転士が運転台でドア開閉を行なうための機能も導入するとしている.
一部画像はJR東海ニュースリリースから