
写真:南海電気鉄道2200系「天空」 松本洋一撮影 小原田検車区にて 2009-4-28(取材協力:南海電気鉄道)
南海電気鉄道は,高野線の橋本—極楽橋間で運行している観光列車「天空」について,2026(令和8)年3月20日(金祝)をもって定期運行を終了すると発表した.
「天空」は,高野山へ向かって上へ上へとゆっくり進む列車旅を,車内を吹き抜ける森の冷気や鳥の声などを五感で感じ,日常を忘れた時間を楽しむことを目的に,2009(平成21)年7月3日に定期運行を開始し,2025(令和7)年で運行開始16周年を迎えた.

▲「天空」車内
「天空」は2200系2両編成を種車とし,指定座席数は合計76席となっている.線路の北側・西側に広がる紀の川・不動谷川や険しい山間の風景を見渡すことができる「ワンビュー座席」や,4人掛けの「コンパートメント座席」,難波・橋本側の車両には森林の空気(外気)を取り入れる「展望デッキスペース」を備える.
定期運行開始以降は,国内外からあわせて約43万人(2025年8月末現在)の乗客が利用した.定期運行終了後は,ツアー貸切などの団体専用列車として,不定期で運行される予定.
定期運行終了にあたり,イベントなどの実施も予定されており,詳細は決まり次第発表される.

▲新観光列車外観イメージ
「天空」に代わる新たな観光列車を,2025(令和7)年度末に運行開始することを目指している.2000系を改造した4両編成で,難波—極楽橋間を結ぶ.
アテンダントによるきめ細やかな対応や食事,良質なサービスの提供,四季折々に移ろう風景をとおして,日常を離れた上質な空間で乗車そのものが特別な体験ができる列車となる予定(鉄道ニュース8月8日掲載記事参照).
一部画像は南海電気鉄道ニュースリリースから