
▲コマツロゴ入り私有コンテナ
コマツとコマツ物流,日本通運,JR貨物は,石川県小松市にあるコマツ粟津工場からタイヤ式大形建設・鉱山機械を生産する茨城工場への建設機械・鉱山機械用部品の輸送において,コマツが運用する20フィート私有コンテナ(長さ約6m)を活用した輸送を開始した.
コマツでは,二酸化炭素排出量の削減や持続可能な輸送体系の構築に継続的に取り組んでおり,2018(平成30)年5月からエンジン・油圧機器を生産する小山工場と中小形建設機械を生産する粟津工場間の輸送において,鉄道を用いたモーダルシフトを実現し,常時利用している.
さらに,油圧シリンダーを生産する郡山工場と中大形建設機械を生産する大阪工場との間でも,鉄道を用いたモーダルシフトを実現している.

▲粟津工場—茨城工場間輸送スキーム
一方で,粟津工場で生産しているトランスミッションなどの一部については,鉄道輸送における既存のコンテナの積載重量制限(最大5トン)やサイズなどによる制約から,鉄道輸送と長距離トラック輸送を併用して利用していたが,この点に関する課題解決に向け,4社で連携して検討を進めてきた.
また2024(令和6)年度には,4社による「小松製作所粟津・関東工場間モーダルシフト協議会」を立ち上げるとともに,国土交通省の「物流効率化法」にもとづく事業認定を受け,令和6年度「モーダルシフト加速化緊急対策事業」に採択された.この取組により,コマツは1個のコンテナで最大10トンまで積載可能な20フィートの私有コンテナ6基を新造し,鉄道輸送の拡大を実現している.

▲粟津工場で私有コンテナへトランスミッションを積載するようす
今回の取組では,粟津工場から茨城工場までの約600kmの輸送区間において,20フィートコンテナを使用したモーダルシフトを導入した.コマツが保有する専用コンテナは,建設機械・鉱山機械用部品の特性にあわせて設計されており,積載効率の向上と輸送の安定化を実現している.
この新たな輸送スキームは,2025(令和7)年3月から鉄道輸送を開始している.これにより,トラックドライバー不足の改善に寄与するとともに,年間約160トンの二酸化炭素排出量削減を見込んでいる.
今後,コマツ,コマツ物流,日本通運,JR貨物の4社では,気候変動などの社会課題に対応するため,今後もモーダルシフトをはじめ,顧客や取引先などとともに,事業活動にともなう二酸化炭素排出量の削減をめざす取組を継続的に進め,サステナブルな社会の実現に貢献するとしている.