鉄道ファン2025年9月号(通巻773号)
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三菱重工業,シンガポール「センカン・プンゴルLRT」向け新車両が営業運転を開始

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三菱重工業,シンガポール「センカン・プンゴルLRT」向け新車両が営業運転を開始

▲センカン・プンゴルLRTの新車両(SBS Transit社提供)

三菱重工業は,三菱重工グループのアジア・パシフィック地域拠点であるMitsubishi Heavy Industries Asia Pacific Pte. Ltd.(MHI-AP)と三菱商事と共同で,2022(令和4)年にシンガポール陸上交通庁(LTA:Land Transport Authority)から受注した,シンガポール北東部を走る全自動無人運転車両システム(AGT:Automated Guideway Transit)「センカン・プンゴルLRT(Sengkang-Punggol LRT)」の輸送力増強プロジェクトにおいて,同プロジェクト最初の車両が営業運転を開始したと発表した.

三菱重工業,シンガポール「センカン・プンゴルLRT」向け新車両が営業運転を開始

▲式典のようす

 新車両は2編成で,今後2028(令和10)年までに合計25編成を順次引き渡す予定.最初の2編成は2025(令和7)年7月15日(火)に営業運転を開始し,当日は,営業運転開始の記念式典をLTAが主催し,シンガポールのガン・キムヨン副首相が臨席した.
 新車両の外観デザインは既存車両を継承しているが,通常は1両ごとに設置される信号機器などを,2両で1セットにしたことで,搭載する機器を最適化している.また,車内の運転台には,各機器を設定できるタッチパネルを搭載したほか,走行時の車両情報を常時蓄積し,そのデータを活用することでメンテナンスやトラブルシュートの迅速化を図るなど,運行事業者からのさまざまな改善要望に対応する.
 センカン・プンゴル地区の急速な人口増加にともない,センカン・プンゴルLRTの利用者も増加し,新車両による輸送力増強に対して,同国関係者や周辺住民の期待が高まっている.三菱重工とMHI-APは,開業以来の安定した運行やアフターサービスの実績をもとに,引き続き,期待に応えていくとしている.

写真はすべて三菱重工業提供

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