
東洋製罐グループホールディングスの連結子会社である東罐ロジテックと,全国通運・JR貨物・T2の4社は,自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた「モーダルコンビネーション」の実証を関東—九州間で開始した.

▲本実証の概要
今回,「モーダルコンビネーション」の実証として初めて「往復」の区間を設定し,往路は,東罐興業の厚木工場(神奈川県)から大阪府までをT2の自動運転トラックで幹線輸送し,大阪府から福岡県までをJR貨物の貨物列車で輸送する.復路は,福岡県から大阪府までを貨物列車で輸送し,大阪府から東罐ロジテックの北関東営業所(埼玉県)までを自動運転トラックで輸送する.全通は,貨物駅と顧客の拠点間の集貨・配達を担当する.
さらに,T2が2027(令和9)年から開始を予定しているレベル4自動運転トラックを用いたモーダルコンビネーションも視野に入れ,国内初の新たな輸送モデルの確立を目指す.

▲今回輸送する東罐興業の紙容器およびプラスチック製容器
今回の実証では,JR貨物とT2で共同開発した,モーダルコンビネーションの際に貨物列車からT2のトラックへ直接載せ替えが可能となる31フィートタイプの共用コンテナを用い,東罐興業が取り扱う紙容器やプラスチック製容器を輸送する.
▲T2のトラックへ共用コンテナを積み替えるようす
モーダルコンビネーションの取組は,地球環境問題への対応や物流業界の労働環境改善,労働力不足の解消など,持続可能な物流の実現を目指し,2024(令和6)年11月から日本通運・全国通運・日本フレートライナー・JR貨物・T2の5社で検討を進めてきた.
貨物鉄道輸送の全国ネットワークと,T2が有する自動運転トラック技術を融合させ「自動運転トラック×貨物鉄道」のモーダルコンビネーションを実現することで,自動運転区間における輸送ルートの複線化を構築する.
また,柔軟な輸送力の増加を可能とするなど,物流の可能性を広げることを目的とし,2025(令和7)年6月に,北海道—関西間で初回の輸送を実施した(鉄道ニュース6月26日掲載記事参照参照).
画像はすべてT2提供