
▲完成予想イメージ
京阪ホールディングスは,計画中の「(仮称)三条駅周辺プロジェクト」について,京都市に都市再生特別地区の都市計画提案書を提出したと発表した.
三条駅周辺地域は,2024(令和6)年12月に都市再生緊急整備地域に指定され,にぎわいと活力あふれる拠点の形成を目標とする地域整備方針が定められている.京阪ホールディングスではこの方針に沿いながら,本プロジェクトを都市再生に資する計画とし,より良い形で実現することを目指して都市計画提案を行なった.世界的な観光地である京都東山にふさわしい建物とするため,外観デザインについては京都市美観風致審議会などでの意見を反映しながら,引き続き慎重に検討を進める.
三条駅に隣接する三条大橋は,東海道の西の起点として,古くから交通の要衝であり,周辺エリアは観光の拠点として栄えてきた.本プロジェクトにおいては,京阪グループ長期経営戦略「体験価値共創」の実現に向けて,この土地のもつ歴史・文化を継承し,駅・まち一体の「えきから始まるまちづくり」を進めることで,京都「東山の玄関口」としての拠点性の向上を図り,新たな観光・交流拠点を創出するとともに京阪沿線全体の価値向上へとつなげる.

▲完成予想イメージ(西側全景 鴨川対岸から)
計画地は京都市東山区大和大路通三条下る東側大黒町139番1ほかで,敷地面積約6400平方メートル,延床面積約27000平方メートルとする.おもな用途として商業施設・ホテルの営業を計画している.プロジェクトの特徴として,西に鴨川,東に東山を望み,歴史と文化の深さを感じさせる街並みとつながる計画地において,地域の歴史・文化・自然環境と調和しながら,地域のランドマークとなるような良好な都市景観を形成する.国内外から訪れる観光客や来街者の多様な滞在・交流ニーズに対応する上質な宿泊施設,日本の文化を感じられる商業施設を導入する.
都市の魅力を向上し,駅・まちの拠点性を高めるために,施設内外にそれぞれ魅力的な空間を創出する.施設3階西側には,鴨川の風や音を感じながら,京都の自然や歴史・文化的な景観を一望できる展望テラスを整備する.また敷地西側の駅前広場は,植栽やベンチを配置し,緑陰が感じられる滞在空間を計画している.

▲現在の京阪電車三条駅地下2階 中央改札前接続部
新施設は,京阪電車三条駅の中央改札口から見通しの良い場所において接続する計画としており,施設と駅を一体で整備し,利便性を高める.接続部には,地下と地上の間を歩行者が安全かつ快適に移動できる立体的な動線を形成するとともに,バリアフリーの動線も確保する.また,敷地内の1階庇下を駅前広場や周辺歩道と一体的に整備し,快適でゆとりある歩行者空間を確保する.
観光地に近接する駅前拠点の特性を踏まえた防災機能を備えるとともに,地域の特色を活かしたまちづくりを展開し,エリアの魅力を高めていくとしている.
画像はすべて京阪ホールディングス提供
※イメージパースは提案時点(2025年6月)のものであり,今後変更となる可能性があります.