鉄道ファン2025年8月号(通巻772号)
『鉄道ファン』2025年8月号
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南海,新今宮駅1番線ホームで「転落検知システム」「ホーム端接近警報システム」の現地検証を開始

南海,新今宮駅1番線ホームで「転落検知システム」「ホーム端接近警報システム」の現地検証を開始

南海電気鉄道とJR西日本テクシアでは,南海電鉄 新今宮駅1番線ホームに2Dセンサを設置し,駅ホームのさらなる安全性向上を目的とした現地検証を,2025(令和7)年7月1日(火)から実施している.

南海,新今宮駅1番線ホームで「転落検知システム」「ホーム端接近警報システム」の現地検証を開始

 今回の現地検証では,「転落検知システム」と「ホーム端接近警報システム」の2つのシステムの有効性を検証する.
 「転落検知システム」は,ホーム上に設置した2Dセンサにより,ホーム端と線路の境界部にスクリーン状の検知エリアを構築し,これを遮る人や大きな荷物などの転落を検知する.検知範囲は,2Dセンサ1台につき約20メートル(車両約1両分)となる.本運用時には,転落を検知すると自動的にホームの非常通報装置が作動し,接近する列車に異常を知らせる.
 「ホーム端接近警報システム」は,L字空間における歩行者の滞在を2Dセンサによって検知すると,自動的に注意喚起放送が鳴動し,未然に事故を防止する.2Dセンサ1台につき約20メートル(車両約1両分)の範囲を検知する.
 新今宮駅1番ホームの屋根には,各システム用の2Dセンサをそれぞれ6台(計12台)設置し,センサの検知精度やログ収集,角度調整などを通じてシステムの実用性を多角的に検証する.
 これまでは,人や大きな荷物などの転落があった場合,駅係員や乗客が非常通報ボタンを手動で押し,運転士などに危険を知らせていた.また,転落や列車との衝突の危険がある「L字空間」では,駅係員による注意喚起放送を適宜実施していたが,各システムの導入により駅ホームの安全性がさらに向上するとしている.
 今後は,2025(令和7)年度内に「転落検知システム」の本運用開始を予定し,「ホーム端接近警報システム」は2026(令和8)年の本運用開始を目指す.

画像はすべて南海電気鉄道提供

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