鉄道ファン2025年6月号(通巻770号)
『鉄道ファン』2025年6月号
2025年4月21日発売
定価1300円(税込)

小田急,2025年度の設備投資計画を発表

小田急5000形

写真:小田急5000形  編集部撮影  唐木田車庫にて  2019-11-11(取材協力:小田急電鉄)

小田急電鉄は,2025(令和7)年度の設備投資計画を発表した.「安全対策の強化」と「サービスの向上」を重点とした設備投資額は436億円となる.

小田急3000形3次車

写真:小田急3000形3次車  百々貴俊撮影  開成—栢山間にて  2019-10-1

 「サービスの向上」では,通勤車両5000形1本(10両)を新造する.6両編成の3000形については,引き続き2本をリニューアルし,各車両に車いす・ベビーカースペースを設置する.あわせて,搭載する防犯カメラは,映像を運輸司令所など離れた場所からリアルタイムに確認できる機能を有しており,緊急時における迅速な対応や正確な状況把握を可能にする.

小田急,2025年度の設備投資計画を発表

▲ホームドア(写真は中央林間駅)

 「安全対策の強化」では,「鉄道駅バリアフリー料金制度」や東京都の「ホームドア整備加速緊急対策事業」による補助金などを活用し,豪徳寺・千歳船橋・祖師ヶ谷大蔵・喜多見・狛江の各駅(全10ホーム)で2025(令和7)年度中にホームドアの使用を順次開始する.
 また,2026(令和8)年度から2028(令和10)年度にかけて,経堂・和泉多摩川・南新宿・成城学園前・鶴川・藤沢・参宮橋・向ヶ丘遊園の各駅で,順次ホームドアの整備を予定しており,2032(令和14)年度までに新宿から本厚木までの全駅への設置を進める.

小田急,2025年度の設備投資計画を発表

▲耐震補強工事現場(左:小田原線跨線橋/右:JR相模線跨線橋)

 激甚化する自然災害に備え,世田谷代田—登戸間の高架橋や海老名—厚木間にある「JR相模線跨線橋」,相模大野—東林間間にある「小田原線跨線橋」で耐震補強工事を進めるほか,読売ランド前・相武台前・座間・長後の各駅でホーム上家の耐震補強を実施する.2024(令和6)年度の豪雨により,盛土のり面が崩壊した東海大学前—秦野間の当該箇所では補強工事を進めるほか,構造物の延命を図るため,新松田—開成間の「酒匂川橋梁」では,劣化した塗膜の塗り替えを実施する.
 このほか,犯罪の抑止や事件の早期解決などを目的として,車両への防犯カメラの設置を進める.2025(令和7)年度は通勤車両19編成への設置を予定しており,これにより計画された全車両への設置工事を完了する.

小田急,2025年度の設備投資計画を発表

▲左:線路モニタリング装置/右:架線モニタリング装置

 効率的なメンテナンス手法(CBM)の推進に向け,一部の5000形に搭載されたモニタリング装置のシステム構築を行なう.あわせて,全線でのモニタリングを開始して測定状況を確認するなど,本運用に向けた検証を実施する.これにより,従来の検測用車両と比較して情報取得の頻度が増えるため,鉄道設備の異常を早期に発見することが可能となる.

小田急,2025年度の設備投資計画を発表

▲鶴川駅完成イメージ

 駅舎改良工事では,鶴川駅と藤沢駅で,地元自治体と連携した自由通路整備事業にあわせて駅舎を橋上化する.2025(令和7)年度は,駅舎の基礎工事などを行なうほか,鶴川駅では駅舎改良工事にあわせて,ホームドア整備に向けたホーム補強工事などにも着手する.
 詳しくは,小田急電鉄ニュースリリースに掲載されている.

一部画像は小田急電鉄提供

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