
▲新形車両90000系のエクステリア
東武鉄道は,2025(令和7)年度に鉄道事業において総額498億円の設備投資を行なうと発表した.

写真:東武鉄道80000系 編集部撮影 南栗橋車両管区七光台支所にて 2025-2-10(取材協力:東武鉄道)
車両については,東上線に新形車両90000系を2026(令和8)年以降順次導入するため,2025(令和7)年度は,10両編成×2本(20両)を製作する(鉄道ニュース3月26日掲載記事参照).野田線(東武アーバンパークライン)では引き続き,80000系5両編成×4本を増備する.また60000系については,5本をリニューアルする.

写真:東武8000系 目黒義浩撮影 2016-3-29
大師線における自動運転(GOA3)では,2028(令和10)年度以降の検証運転実施に向け,2025(令和7)年度は,前方障害物検知システムの仮設搭載検証試験を行なうとともに,自動運転対応新造車両と自動運転システムの設計検討業務を実施する.自動運転に対応した新造車両については,2026(令和8)年度から2027(令和9)年度に4本を導入する.
列車に搭載したモニタリング装置により線路や電車線の状態を検測・監視する「施設状態監視システム」については,引き続き検測・モニタリング装置の製作を進める.
走行中の車両の乗車率や車内温度,走行パターンなどのデータを把握し分析する「Remote」については,90000系,80000系のほか,60000系と50000系(東武スカイツリーライン・東上線)への導入を拡大する.

▲左:駅舎リニューアル(新古河駅)/右:初石駅橋上駅舎化 工事状況
駅設備の改良では,東武スカイツリーラインの谷塚駅・草加駅・新越谷駅,伊勢崎線の久喜駅で,駅舎のリニューアルを実施する.
野田線(東武アーバンパークライン)の初石駅については,流山市の支援のもと橋上駅舎化を進めているが,2025(令和7)年度に供用を開始する予定.駅舎の橋上化にあわせて,バリアフリー化された東西自由通路の供用も開始する.

▲左:可動式ホーム柵(梅島駅)/右:ホームと車両乗降口の段差・隙間縮小(草加駅)
ホーム柵(可動式・固定式)については,2035(令和17)年度までの「鉄道駅バリアフリー料金制度」の届出整備期間において「優先整備駅」を定めており,整備済みの駅を含め計85駅を整備する.
ホーム柵(可動式)については,東武スカイツリーラインの西新井(4・5番線)と,東上線の東武練馬・下赤塚・成増の各駅で整備が完了する予定で,東武スカイツリーラインの西新井駅(3・6番線)と,野田線(東武アーバンパークライン)の高柳・新鎌ケ谷,東上線のふじみ野・上福岡の各駅で工事に着手する.
また,ホーム柵(固定式)とホーム監視装置の設置については,野田線(東武アーバンパークライン)の北大宮・南桜井・川間・清水公園・豊四季・新船の各駅で整備が完了する予定で,野田線(東武アーバンパークライン)の大宮公園・愛宕の各駅で工事に着手する.
ホーム柵(可動式・固定式)の整備対象外の駅についても,エレベータの新設・更新やエスカレータの更新,スロープの整備,発車案内表示器・列車接近表示器の新設,洋式化を含む駅トイレリニューアル,内方線付き点状ブロックの設置,誘導用ブロックのJIS対応化,ホームと車両乗降口の段差・隙間の縮小などのバリアフリー化を対象の駅で実施する.

▲左:とうきょうスカイツリー駅付近下り線高架切替え工事/右:春日部駅付近高架化下り線仮ホーム 工事状況
東武スカイツリーラインのとうきょうスカイツリー駅付近の高架化については,引き続き,駅舎新設と留置線の高架橋工事を進める.春日部駅付近の高架化については,東武スカイツリーライン下り線の東側に移設する工事を進める.
東上線大山駅付近の高架化については,引き続き,設計業務・支障物移転工事などを進める.
このほか,高架橋の耐震補強や法面補強など自然災害への備えの強化や,8000系・10000系・80000系・60000系・30000系・90000系への車内防犯カメラ設置(合計68編成),踏切の安全性向上,線路保守用車両の更新改良を進める.

▲QR乗車券の利用イメージ
駅務機器のメンテナンス性向上や環境負荷低減などを目的として,2026(令和8)年度以降に計画されている磁気乗車券からQR乗車券への置換えについて,2025(令和7)年度は,QR乗車券導入に向けたシステム構築工事を実施する.
電車がブレーキを使用した際に発生する回生電力をさらに有効活用するために,「電力回生インバータ装置」の導入を進める.2025(令和7)年は,曳舟変電所,杉戸変電所での運用開始に向け工事を進める.
一部画像は東武鉄道ニュースリリースから