鉄道ファン2025年5月号(通巻769号)
『鉄道ファン』2025年5月号
2025年3月21日発売
定価1300円(税込)

南海,2027年度に高師浜線でGOA2.5自動運転を開始へ

南海,2027年度に高師浜線でGOA2.5自動運転を開始へ

▲GOA2.5自動運転車両(8300系)

南海電気鉄道では,2027(令和9)年度に高師浜線 羽衣—高師浜間(1.4km)において,GOA2.5自動運転(係員付き自動運転)を開始する予定であると発表した.

 同社では,2022(令和4)年からGOA2.5自動運転の運用に向けた実証試験の準備を開始し,和歌山港線(2.8km)で延べ7200kmの走行試験を実施してきたが,有識者からなるGOA2.5自動運転検討委員会による安全性などの評価を受けたことから,高師浜線への導入が決まった.
 GOA2.5自動運転は,運転士の資格を持たない係員が列車の前頭に乗務する方式で,既存設備を活用して導入できる.そのため,安全性を確保したうえで投資コストを抑制し,費用対効果を高めることができる.

南海,2027年度に高師浜線でGOA2.5自動運転を開始へ

▲自動運転のレベルイメージ

 今後の計画としては,2025(令和7)年度中に,GOA2.5自動運転に必要な地上設備と車両改造のための詳細設計,機器類などの製造を開始する.2026(令和8)年度は,地上設備の施工と車両改造を完了し,走行試験を実施する.2027(令和9)年度には,GOA2.5係員の養成を行ない,GOA2.5自動運転を開始する予定.
 南海電鉄では,中期経営計画「共創140計画」を策定し,その事業戦略のひとつに「公共交通事業のサステナブルな経営」を掲げ,自動運転の実現に向けた取組を行なってきた.今後の生産年齢人口減少により,乗務員の確保が難しくなるなか,限られた経営資源を有効に活用しながら列車本数を維持し,持続可能な鉄道事業の実現を目指す.
 次期中期経営計画においては,自動運転技術の導入をはじめ,鉄道保守における予防安全の強化や業務効率をさらに進める.

画像はすべて南海電気鉄道提供

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