
▲発表された新制服デザイン
南海電気鉄道では,創業140周年を迎えるにあたり,2025(令和7)年4月1日(火)からリニューアルする新制服のデザインを発表した.
新しい制服を着用するのは,駅係員・運転士・車掌などの運輸部門の従業員(約2000名)と,工務・電気・車両・不動産施設などの技術部門の従業員(約750名)で,デザインは,南海電鉄沿線の大阪府岸和田市出身で「大阪・関西万博2025」のシニアアドバイザーを務め,世界的に活躍するコシノジュンコさんに依頼した.
「“UNITY” 結ぶ力・団結」をデザインコンセプトとし,これまでのディープネイビーを基調としたデザインからチャコールグレーを基調とし,ブランドカラーをアクセントに取り入れたフォーマルなデザインに一新することで,「安全・安心の変わらない伝統は守りつつ,次代の新しい感性・ニーズを先取りしながら挑戦し続けることで,誰もが心地よい'なんかいいね'があふれる企業でありたい」という思いが込められている.
生地はポリエステル100%で,植物由来の再生資源(サトウキビ廃糖蜜)を粗原料の一部とした東レの「エコディア®PET」(植物由来原料割合:約30%)を使用している.

▲難波駅での新制服お披露目会
ジェンダーレスで男女の区別のないデザインを採用し,これまで運輸部門の旧制服では,女性はリボンを採用していたが,今回はネクタイを取り入れている.また,技術部門の旧作業着は男女別のデザインとしていたが,今回から同じデザインとしている.
従業員の意見を採用した設計で,家庭での洗濯が可能な仕様とし手軽に手入れができるだけでなく,しわになりにくく,毎日の着用時も美しいシルエットを保つ.すべてのアイテムに消臭テープを施し,常に清潔感を保ちながら,接客時への配慮と従業員の快適性を両立している.
ポケットは無線機やチケットケース,ハンディ端末などの装備品に合わせて,使用頻度や動作を考慮し,最適な位置やサイズを従業員の意見を取り入れて設計されている.シャツには脇下と肩に可動域を広げるマチを配置することで,指差喚呼や運転時の動作などの多様な動きにもスムーズに対応する.

▲鈴木 砂羽さん一日駅長 特急ラピート出発式
パンツには腰内側にパワーネットを内蔵し,かがむ・立つといった反復動作の多い業務でも違和感なく動けるよう,ニット生地の伸縮性を活かした設計としている.
ネクタイはワンタッチで着脱可能とし,着脱のしやすさのほか,カスタマーハラスメント対策にも配慮している.シャツの前立てにブランドカラー(ファインレッド)のデザインを施し,夏場のノーネクタイでも品位を保持する.
使用後の制服はアップサイクルする予定.また,旧制服のうち状態が良いものに関しては,リユース商品の販売やアップサイクルを検討している.
写真はすべて南海電気鉄道提供