
日立製作所のグループ会社である日立レール社は,サンフランシスコ市交通局(SFMTA)が運営するサンフランシスコ市営鉄道(Muni)の鉄道制御システムの刷新に関する契約を締結したと発表した.
契約では,列車を制御する鉄道信号システムのひとつである「SelTrac™ CBTC」を,71マイル(約114キロメートル),33駅のMuniネットワーク全体に導入する.列車制御システムを同路線の地上部分にも拡大し,地上エリアと地下鉄エリアに単一のシステムを提供して,システム全体で車両の流れを制御する.
今回の契約には,継続的なサポートとメンテナンスのための10年間の長期サービス契約と,さらに10年間の延長オプションも含まれている.
「CBTC」は,おもに地下鉄,ライトレール,全自動無人運転車両システム向けに提供される,最も先進的な列車制御ソリューションである.この技術は,列車とインフラ間の無線通信を使用して,従来の信号よりも効率的かつ安全に都市交通や地下鉄システムを運行する.
「SelTrac™」は,列車の間隔をより近づけて運行でき,輸送能力と収益を向上させる.この革新的な列車制御技術は,将来の成長を支えながら,より信頼性が高く,効率的で安全な運行を実現する.
Muniネットワークは,ケーブルカー,路面電車,ライトレールなどの伝統的な車両を含むユニークな交通システムで,地上と地下鉄の双方を接続して運行されている.今回の列車制御アップグレードプロジェクトは,これらの歴史的な車両を含め,車両全体の列車制御技術を近代化する.
写真:日立製作所提供