南海電気鉄道は,南海本線 泉佐野—和歌山市間において,2025(令和7)年3月22日(土)(予定)からワンマン運転を実施すると発表した.
対象となるのは,8300系4両編成で運転される普通列車の一部で,特急・急行・空港急行・区間急行・準急や,6両編成で運転する普通列車は対象外となる.なお,実施後も8300系を使用する4両編成の普通列車でも,一部の列車には車掌が乗務する.
ワンマン運転にともなうハードウェア対策として,ワンマン運転に対応する8300系に「車両側面カメラ」を1両につき片側2台,計4台設置する.カメラで車両側面とホームのようすを撮影した映像が運転席のモニタに表示され,運転士は車両側面付近のようすを確認した後,列車を発車させる.
「車両側面カメラ」は,2022(令和4)年6月から検証を行ない,夜間や悪天候時などの低照度下でも十分な視認性を確保でき,明暗差がある環境下でも鮮明に映ることが確認されている.
車掌が乗務する列車では,列車出発後に車掌がホーム非常通報装置の動作の有無を確認するが,ワンマン運転区間で運転士がホーム非常通報装置の動作を確認できるよう,ワンマン運転を実施するすべての駅(14駅89ヵ所)に「進出用非常通報装置」(画像)を設置する.
そのほか,運転士が誤ってホームのない側の扉を開ける操作をしても,扉が開かないようにする誤開扉防止装置を導入することで,ワンマン運転時においても車掌が乗務する列車と同等の安全性を担保する.
南海電鉄でのワンマン運転は2000(平成12)年以降順次導入しており,これまで,高野線 汐見橋—岸里玉出間,橋本—極楽橋間(2両編成のみ)と,高師浜線,多奈川線,加太線,和歌山港線(2両編成のみ)の各支線区間で実施している.
一部画像は南海電気鉄道ニュースリリースから