導入されるのは，伊勢崎線の第96号踏切道（大袋—せんげん台間）と第112号踏切道（武里—一ノ割間），東上線の第24号踏切道（ときわ台—上板橋間）と第113号踏切道（鶴瀬—ふじみ野間）で，システムは，沖電気工業（OKI）と丸紅ネットワークソリューションズが共同開発した．

　システムでは骨格検知技術やAIエッジ技術などを活用し，踏切に設置したカメラの映像をその場で高精度かつリアルタイムにAI画像処理することで，踏切遮断桿降下後に踏切内で滞留する人を検知し，直ちに特殊信号発光機と連動して接近する列車の運転士へ異常を知らせる．これにより，踏切内での人，自転車などの滞留に起因する事故の削減が期待されている．また，本システムは汎用カメラなどを使用するため，設置が容易かつ比較的安価に導入することができる．
　これまでは，おもに人や自転車が通行する踏切では，踏切障害物検知装置が設置されていないため，列車の運転士に異常を知らせる場合は，その場に居合わせた人が非常ボタンを押す方法に限られていた．
　OKIと丸紅ネットワークは，本システムの実用化に向けて東武鉄道の踏切で約1年にわたり，本番の運用に近い形で導入試験を実施してきた．東武鉄道は導入試験の結果，実運用化が可能と判断し，本格運用開始に至った．

特記以外の画像は沖電気工業提供