今後，3社で設立した事業会社GTS Rail Operations Limited（出資比率:Go-Ahead65%，東京メトロ17.5%，住友商事17.5%）が英国ロンドン市交通局との間で契約を締結し，現行の運営事業者からの移管を経て2025（令和7）年5月から鉄道運営事業を開始する．契約期間は最長9.5年（7年プラス，オプション最長約2.5年）となっている．
　本事業は，東京メトロと住友商事が共同で海外鉄道事業の運営に取り組む初めての案件となる．また，東京メトロが海外鉄道路線の運営事業に参画する初の案件であると同時に，住友商事にとっても初の英国での鉄道運営事業への参画となり，日本企業の質の高い交通・輸送インフラ事業の海外展開を進める．

▲エリザベス・ラインPaddington駅での開通式典のようす

　エリザベス・ラインは，故・エリザベス女王在位70周年の年に開通することを記念して，その名を冠した路線であり，ロンドン西部に位置するヒースロー空港とロンドン中心部を経て東部をつなぐ路線長117km，41駅の地下鉄路線である．
　東西に分かれていた路線が，新規建設された区間で接続され，総工費£18.9billion（約3.8兆円）をかけて2022（令和4）年5月に全線開通した．開通式典には故・エリザベス女王が出席するなど，ロンドンを代表する最も新しい地下鉄となっている．
　2023（令和5）年は，2.1億人以上が利用した英国内で最も乗客数が多い路線のひとつであり，2030（令和12）年には年間利用者が2.5億人を超える見込みとしている．

画像はすべて東京メトロ提供（出典：ロンドン市交通局）