大阪市高速電気軌道は,2024(令和6)年度の事業計画を発表した.
乗客の安全施策については,可動式ホーム柵を谷町線・四つ橋線・中央線の計23駅で設置するほか,ホームと車両との段差隙間対策を15駅で実施する.バリアフリー経路の複線化の実現のため,エレベータを4駅で増設する.白杖・車いす利用者をAIで自動的に検知し,駅社員に通知する行動検知システムを52駅60改札に導入する.防犯カメラについては,車両13本(御堂筋線3本・中央線10本)と駅構内に45台を設置する.
地震対策として,脱線防止ガード付きまくらぎの設置区間を2.3km延長する.また,浸水対策を換気口2ヵ所と変電所3施設で実施するほか,大日検車場の液状化対策を実施する.
検査方法の高度化として,CBM(状態監視基準)の採用を目指した軌道モニタリング車両を中央線に導入する.施設の長寿命化として,シールドトンネル0.4km,函形トンネル1.3km,NT高架部7橋で,コンクリート表面に被覆材・繊維シートなどを塗布する.
インバウンド対応や「EXPO2025 大阪・関西万博」に向けた取組では,中央線の輸送力増強と万博開催時の旅客の安定輸送を目指し,泊車線増設など必要となる施設を整備する.夢洲駅までの延伸については,当初の開業予定を前倒し,2025(令和7)年1月末での開業を目指す.
駅リニューアルについては,大阪港駅,堺筋本町駅の2駅で実施し,万博開催までに全15駅の工事完了を目指す.改札機能の国際標準化として,QRコードやクレジットタッチ決済が可能な改札機を432台,顔認証改札を99台設置する.また多言語案内にも対応したAI案内サイネージを9駅,遠隔案内システムを23駅30改札に設置する.
森之宮エリアの暫定利用として「大阪の未来の交通」を体験できる施設を開業し,万博開催前から機運醸成を図るとともに,会場外から万博を盛り上げる.
このほか,都市形MaaS構想の実現のため,新たなモビリティの導入・拡充や自動運転技術の確立に向けた取組を進める.また,環境対策として,継続的な省エネルギー化・創エネルギーにも取り組む.
マーケティング事業では,「食」をキーワードに,レストランに加え,スイーツ・カフェ・食物販など,多方面からの飲食業への進出を目指す.また,地下街においては,グループ会社間の連携を強化し,相乗効果を発揮することにより収益規模の拡大を目指す.
新規事業として,日常生活に寄り添いサポートする生活支援サービスを展開し,幅広い世代の生活や人生がより豊かになるサービスや環境を継続的に提供する.
詳しくは大阪市高速電気軌道のページに掲載されている.
写真はすべてイメージです.