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住友商事が出資するフィリピン・マニラの「LRT1号線事業」に阪急電鉄・JICAが参画へ

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住友商事が出資するフィリピン・マニラの「LRT1号線事業」に阪急電鉄・JICAが参画へ

▲南部延伸区間を試験走行する車両

住友商事と阪急電鉄,独立行政法人国際協力機構(JICA)は,マニラ首都圏の都市旅客鉄道であるManila Light Rail Transit System Line1(LRT1号線)の運営・保守事業に協同して取り組むことに合意し,住友商事が間接保有するLRT1号線の運営・保守事業を行なうLight Rail Manila Corporation(LRMC)の株式の一部を,阪急電鉄とJICAに譲渡する契約を締結したと発表した.

 フィリピンはASEAN諸国の中でも高い経済成長を誇り,今後数十年にわたり人口増加が続くと予測されている.その一方で,同国のマニラ首都圏はASEAN諸国の中でも最も渋滞が深刻な都市のひとつとされており,公共交通網の整備を喫緊の課題として,新規路線を含む鉄道インフラの整備が進められている.
 LRT1号線は約20kmの路線長を持つマニラ首都圏の重要な交通網のひとつであり,LRMCは,急速に増加する交通需要に対応するため,2015(平成27)年に旅客鉄道事業に参画し,より質の高い鉄道運行,輸送力の拡充に取り組んでいる.2024(令和6)年中には約7kmの南部延伸区間が開業し,新たに5駅が設置される予定.これによりマニラ首都圏南部からのアクセスが大幅に向上し,マニラ首都圏の発展を支える重要な交通インフラとしての役割が更に高まっていくことが見込まれている.

住友商事が出資するフィリピン・マニラの「LRT1号線事業」に阪急電鉄・JICAが参画へ

▲路線図

 住友商事は,2020(令和2)年にLRT1号線に出資参画し,LRMCの安定的な経営に資する取組や,スペアパーツ調達支援などを通じ,LRMCの価値向上に取り組んできた.今後,パートナーとして参画する阪急電鉄・JICAとの協働により,さらなる事業の価値向上を図る.
 阪急電鉄は京阪神エリアを中心に都市交通事業や不動産事業などを展開しており,日本の大手民鉄として初めて海外鉄道事業に本格参入する.将来的には,フィリピン市場において阪急阪神ホールディングスグループのほかの事業との連携も模索していく.
 JICAは,おもにフィリピン政府に対する円借款の供与と技術協力を通じて長きにわたりマニラ首都圏の鉄道整備を支援してきた.過去には円借款「LRT1号線増強事業(1),(2)」において輸送力増強を図り,現在は円借款「マニラ首都圏大量旅客輸送システム拡張事業」では車両の調達や車両基地の整備を行なっている.豊富な実績で培ってきたフィリピン政府との良好な関係を通じ,LRT1号線の円滑な運営に協力する.
 なお,本案件は阪急電鉄とJICAにとって初めて,海外での鉄道運営・保守事業への投資となり,日本企業による質の高いインフラ事業の海外進出を後押しする案件となる.

画像はすべて阪急電鉄提供

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