JR東日本は,2024(令和6)年度の設備投資計画を発表した.設備投資額は連結(モビリティ・生活ソリューション)で8190億円を計画している.
新幹線では,新幹線福島駅において,山形新幹線(上り)から東北新幹線(上り)に,立体交差で接続するアプローチ線の増設工事を進める.山形新幹線と東北新幹線が平面交差する現在の状況を解消し,輸送の安定性をさらに高める.
東北新幹線 盛岡—新青森間のスピードアップに向けた工事を引き続き進め,より便利で快適な新幹線輸送サービスの提供を目指す.
在来線では,中央快速線などへのグリーン車の車両新造と関連する地上工事を行なう.東京駅や宇都宮線・高崎線・常磐線方面から羽田空港に向かう羽田空港アクセス線(仮称)については工事を進める.休止貨物線など既存資産を有効活用し,田町駅付近で上野東京ラインと直通させることで,東京圏鉄道ネットワークをさらに充実させる.
安全・安定輸送のレベルアップを目的として,大規模地震対策や新幹線降雨防災対策や,踏切事故対策や運転保安装置整備拡大などの安全対策を実施する.ホームドアについては,京浜東北線 鶯谷駅,常磐緩行線 松戸駅,中央・総武緩行線 新小岩駅,南武線 武蔵溝ノ口駅などで整備を行なう.
このほか,事業用車両の増備,変電所,電車線設備などの鉄道設備更新を計画的に実施することで,安全性の向上や,より効率的なオペレーションを実現する.
まちづくりでは,「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけ,「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちづくりを進める.大井町駅周辺広町地区開発(仮称)では,大井町エリア全体のにぎわいと回遊性の向上につなげるとともに,災害に強く環境に配慮したまちづくりを進める.大井町駅では開発エリアに直結する改札口の新設工事が行なわれる.
新宿駅西南口地区開発では,にぎわい施設などと一体となった屋内外の滞留・回遊空間や観光コンテンツ創出,観光情報発信・体験機能および宿泊機能の導入による観光拠点の整備,災害時の防災対応力強化,新たな省エネ技術の積極的な導入による環境負荷の低減などに取り組むことで,新宿エリア全体の活性化を図る.
渋谷駅周辺では,渋谷駅街区開発計画との一体整備により,駅改良やバリアフリー設備の整備を引き続き進める.
シームレス・ストレスフリーな移動の実現に向け,地域・観光形MaaSプラットフォーム「Tabi-CONNECT」の機能強化とMaaSの利用エリアの拡大を図るほか,JR東日本アプリの開発を継続し,シームレス・ストレスフリーな移動の実現を目指す.
新たな技術とサービスを社会に活かすため,Suicaを持っていない利用客にも駅の券売機や窓口を経由せずに乗車できるよう,チケットレス化の新しい手段として,QRコードを利用した乗車サービスを2024年度下期から順次開始する.また,新幹線線路設備モニタリング車導入などにより,一層効率的なメンテナンス体制構築を進める.
詳しくは,JR東日本ニュースリリースに掲載されている.
一部の画像はJR東日本ニュースリリースから