西武鉄道は,デジタル技術を活用した乗客の安全性向上を目的に,JR東日本と同様の車載ホームモニタシステム(車両完結式)を採用し,ワンマン運転線区において2026(令和8)年ごろの本稼働を目指すと発表した.2024(令和6)年度から設計などの準備を進め,2025(令和7)年度から実証試験を開始する.
両社はスマートな事業運営の加速を目的とし,2022(令和4)年9月に鉄道技術分野における覚書を締結しており,今回の画像認識技術においても技術協力する.これにより,AIの機械学習に使用するデータ量を増やすことが可能となり,さらなる検知性能や安全性の向上に向け取り組む.
また,学習がすでに始まっているシステムを活用することで,システム全体の設計・施工・習熟という全体工程のうち,人物検知機能に関する習熟期間を短縮することができ,よりスピーディーな導入を実現する.
JR東日本グループでは,ワンマン運転時に,乗務員が乗降状態を確認する手段として,車両側面に設置したカメラの画像を運転席で表示する車載ホームモニタシステム(車両完結式)を開発し,営業列車で使用している.ホーム上の利用客が多いシーンなどで,より安全性を高めることを目的として,カメラの画像から利用客が列車に接近した状態を検知して乗務員に通知する技術を2018(平成30)年度から開発している.現在,相模線の1編成に上記のシステムを搭載し,営業列車での検証試験を実施している.
画像はいずれもJR東日本提供