JR西日本は,東海道・山陽新幹線車両「N700S」を追加導入すると発表した.2024(令和6)年度から2026(令和8)年度にかけて4編成を導入する.
「N700S」は,ATCとブレーキシステムの改良により,地震時のブレーキ距離を「N700A」タイプから5%短縮したほか,大容量のデータ通信を採用したことで,車両の状態監視機能を強化している.またバッテリ自走システムの搭載や乗客と乗務員の通話装置を客室内に設置し,指令所の係員との通話も可能とするなど,異常時に即応できる体制を整えている.
グリーン車や先頭車,パンタグラフ搭載車には,フルアクティブ制振制御装置を搭載するとともに,全席にモバイル用コンセントを設置したことで快適性・利便性の向上を図っている.また,車いすスペースについても6席に拡充している.なお,車いすスペースのコンセント位置は,利用しやすい高さに変更する.
「N700S」の追加投入にともない,これまで“のぞみ”として運用していたN700系16両編成について,8両編成とする改造工事を計4編成で実施する.
8両編成化改造工事をする車両は,機能向上したN700系であるため,地震時のブレーキ距離や車両の状態監視機能について,これまでの500系・700系と比較して安全性・安定性がさらに向上する.また改造にあわせて,車いすスペースを4席設置する.
改造工事は,2024(令和6)年度から2026(令和8年度)にかけて,博多総合車両所で実施する.なおN700系の改造工事にともない,500系6編成のうち4編成は2026年度末までに用途廃止となる.
一部写真はJR西日本ニュースリリースから