JR西日本は,2023(令和5)年6月末の大雨により運転を見合わせている山陰本線 長門市—小串間について,被害の大きかった粟野川橋梁(長門粟野—阿川間)の被災原因などの調査結果と今後の見通しについてを発表した.
粟野川橋梁の橋脚傾斜の原因は,大雨にともなう水位上昇と,それにともなう激しい水流により基礎部の侵食を防止する矢板が損傷したことで,支持地盤の流失から橋脚の沈下・傾斜に至ったものと推定され,傾斜した橋脚については,基礎部の機能が大きく損なわれているため,使用に耐えないと判断された.また,そのほかの橋脚や橋桁についても,一部の損傷や部分的な変状が認められた.
今後の見通しについては,傾斜した橋脚の改築が必要と判断し,河川管理者である山口県と仮に復旧する場合の河川内工事について相談をした結果,工事の通年施行を前提に工期・工事費の縮小が見込めることとなり,復旧に向けた具体的な検討を開始する.2024(令和6)年1月29日(月)時点では,粟野川橋梁の復旧には少なくとも着工後1年半程度の工期が必要と見込んでいる.また,粟野川橋梁以外の区間での部分的な運転再開に向けた検討もあわせて進める.
ただし,山陰本線の利用状況が非常に少ないことから,復旧に向けた検討とあわせて,鉄道としての持続可能性を確保するため,沿線の自治体との相談も検討しているとした.
JR西日本,山陰本線不通区間(長門市—小串間)の今後の見通しを発表
label