叡山電鉄は,リニューアル工事を進めている700系731号車「ノスタルジック731」について,2024(令和6)年2月22日(木)から運転を開始すると発表した.
おもに1両で運転されている700系は,叡山電鉄で初めて冷房装置を搭載した車両で,1987(昭和62)年7月の運転開始から30年以上が経過したため,順次リニューアルが実施されている.
今回リニューアルされる731号車は,リニューアル前の「ノスタルジック731」を継承し,1925(大正14)年の叡山本線開業当時に活躍していたデナ1形をイメージしたデザインとしながら,マット風の質感に仕上げ,重厚感や高級感を演出する緑一色の外観塗装とする.外板幕板部には当時の車両の特徴であった屋根色を模して鉛丹色塗装を施す.意匠を凝らした一灯式前照灯を車両前面に設置するほか,車番や社名の銘板には立体的な造作物を採用し,レトロ感をより一層感じさせるものとする.
車内は大正時代の車両における標準的な仕様を再現.座席シートは赤色の布地を使用し,床は木目調のデザインとする.バリアフリー対応として,八瀬比叡山口・鞍馬側のドア付近に車いす・ベビーカースペースを1ヵ所設置する.スペース部は床敷物に明示するほか,優先座席を黄色とし明確化する.また,ドアの開閉表示灯,ドアチャイム,触知表示板を新設する.
さらに,「SDGs」の取組として,車内の照明や前照灯・尾灯,行先表示器にLEDを採用することで省エネルギー化を図り,二酸化炭素排出を削減する.
運転開始日の2月22日(木)は,修学院6:42発八瀬比叡山口行きの列車から運転を開始する.なお,翌日以降の運用は未定としている.
※画像はいずれも叡山電鉄提供