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城端線・氷見線の鉄道事業再構築実施計画を策定

JR西日本キハ40 2027「ベル・モンターニュ・エ・メール」

写真:JR西日本キハ40 2027「ベル・モンターニュ・エ・メール」  編集部撮影  金沢総合車両所にて  2015-9-8(取材協力:JR西日本)

JR西日本と富山県,高岡市,氷見市,砺波市,南砺市,あいの風とやま鉄道で構成する「城端線・氷見線再構築検討会」は,城端線(高岡—城端間)と氷見線(高岡—氷見間)について,「鉄道事業再構築実施計画」を取りまとめたと発表した.今後,「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」にもとづき,国土交通大臣へ申請する.

 鉄道事業再構築事業の実施予定期間は,2024(令和6)年2月15日から2034(令和16)年3月31日までの10年間とする.計画期間中の事業の実施に必要な資金(経費・負担額)については,計382億円(施設整備費342億円+経営安定支援40億円)を予定し,国と富山県・4市・JR西日本で負担額を分ける.
 旅客鉄道事業については,新形車両の導入が完了する計画開始からおおむね5年後を目途に,事業主体をJR西日本からあいの風とやま鉄道へ変更する計画で,変更まではJR西日本が所有する鉄道施設などの譲渡や要員の出向条件などについて協議の上決定する.
 事業の効果については,高岡駅を中心とした県西部の交通ネットワークの強化を図ることで,利便性を高くし,地域の発展やまちづくりと連動した公共交通網の形成を目的とする.また,カーボンニュートラルなどの社会の要請に応え,ウェルビーイングの向上をもたらす最適な地域交通サービスを実現するとしている.
 1日あたり利用者数は,計画最終年度となる2033(令和15)年で12000人を目標とし,2022(令和4)年度(9609人)と比較して,約2400人の増加を見込んでいる.また1日あたりの路線収支は,同じく2033(令和15)年で7.06億円の赤字としているが,2022(令和4)年度(10.86億円の赤字)と比較して,年間3.8億円の改善を見込んでいる.

城端線・氷見線の鉄道事業再構築実施計画を策定

▲城端線・氷見線の路線の状況

 利便性確保に向け,現車両24両については,車両前面をオリジナルデザインとする新形車両34両に置き換える.電気式気動車を基本とするが,車両メーカーの技術開発の最新の動向を踏まえ,鉄道事業者と協議を行ない導入する.新形車両への投資は1両あたり4.5億円とし(計153億円),車両の設計費・デザイン費などの20億円を加えた合計173億円を予定している.
 各種改良については,新形車両の加速性能向上にともなうATSなどの施設改修(13.5億円),運転本数の増加による分岐器などの施設改良・増設(26.8億円),新形車両導入によるホーム改修など(4.5億円)に合計44.8億円を投資する.現行の1日あたり運転本数は,城端線42本,氷見線36本となっているが,いずれもあいの風とやま鉄道の高岡—金沢間(63本)並みの1日60本程度とすることや,日中のパターンダイヤ化なども検討する.
 このほか,交通系ICカード対応改札機の設置(4.6億円)や,城端線・氷見線の直通化(37.8億円),旅客案内システム導入などの既存設備改良(81億円)を計画している.なおこれらは「公共サービス」として自治体による投資を計画している.
 詳しくは,JR西日本ニュースリリースに掲載されている.

一部画像は,JR西日本ニュースリリースから

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