福岡市地下鉄では,空港線・箱崎線に新形車両「4000系」を導入すると発表した.6両編成18本が導入され,第1編成については,2024(令和6)年4月〜5月に車両基地へ搬入されたあと,同年秋ごろから運用を開始する予定.
外観は,既存の1000N系・2000N系で採用されているブルーのラインを継承し,新たに「空の玄関口」である福岡空港と希望の未来をイメージしたスカイブルーを車体中央に配している.
車内は,各ドア上部に3画面の案内表示器を設置し,このうち2画面は路線図や次駅などの運行案内,1画面はニュース・広告用となっている.座席は1名あたりの幅を通勤車両では国内最大となる480mmとし,袖仕切りや荷棚などにガラスを採用することで,明るく広がりを感じられる空間とする.
6号車(福岡空港寄り先頭車)にはフリースペースを設置し,子ども連れやベビーカー,車いす利用者に対応する.子どもにも楽しめる空間として,平均身長85cm程度の子どもがひとり立ちで車窓を見られるよう,大形窓を設置し,保護者や介護者が近い場所で一緒に風景を楽しめる座席も配置する.
一部座席には,袖仕切り越しにキャリーバッグを支えた状態で利用できる大形の手荷物スペースを設置する.
各号車の車端部には優先スペースを設けるほか,床面・壁面のカラーをほかの空間と区別し,エリアの区分けを明確化する.
一部の優先席については,座面を通常座席よりも60mm高くし,仕切りとなる肘掛けを設置することで,立ち座り動作の負担を軽減する.あわせて,ベビーカー・車いすスペースに,介助者が休憩できる腰掛を設置する.
各号車には,地下鉄では初めてとなるリアルタイム監視機能付きの車内防犯カメラを設置し,セキュリティーの向上を図る.なお,リアルタイム監視機能付きの車内防犯カメラは既存の2000N系・3000系・3000A系にも順次導入する.
また「車両情報監視システム」を導入し,車両故障発生時などに正確な状況把握をするとともに,運転阻害時において迅速な対応を可能とする.このほか,カーブにあわせて車軸が可動する「リンク式片軸操舵台車」や「同期リラクタンスモータ」を採用する.
画像はすべて福岡市交通局ニュースリリースから