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JR東海,「水素動力車両」の開発に着手

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JR東海,「水素動力車両」の開発に着手

▲水素動力車両の開発

JR東海は,「水素動力車両」の開発に着手すると発表した.

 同社では,2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組の一環として,軽油を燃料とするディーゼル車両から排出される二酸化炭素を実質ゼロにする技術の開発に取り組んでいる.この一環として次世代バイオディーゼル燃料の試験を行なっているが,あわせて水素を燃料とした「水素動力車両」の開発も目指している.
 水素を燃料とした動力源については,JR東海の2023年度重点施策で発表されている「燃料電池」に加え,鉄道では国内外で事例のない「水素エンジン」の活用も検討する.
 水素動力車両の開発については,動力源として軽油を燃料とするディーゼルエンジンの替わりに,水素を燃料とする燃料電池または水素エンジンを活用する.あわせて,燃料電池または水素エンジンから得られる電気と蓄電池の電気で走行する「水素動力ハイブリッドシステム」の導入を目指す.
 水素動力車両の導入により,走行時の二酸化炭素排出量をほぼゼロに抑えることができるため,JR東海の非電化路線への導入に向け,山間部の連続する勾配を走行可能な高い出力と,長距離走行が可能な高い効率性を備えたシステムの実現を目指す.
 車両開発は,日本車輌製造とJR東海が共同で行なう.車両制御装置は水素動力ハイブリッドシステム用の制御装置を東芝インフラシステムズと開発し,燃料電池についてはトヨタ自動車製の燃料電池モジュールを使用する.鉄道車両用の水素エンジンは,i Laboと開発していくとしており,将来の水素供給体制についてはENEOSと検討を開始する.

JR東海,「水素動力車両」の開発に着手

▲模擬走行試験

 小牧研究施設にある車両走行試験装置は,レールを模した軌条輪の上で台車を走行させることで,勾配などの実際の走行条件を再現することができる.
 模擬走行試験では,燃料電池または水素エンジンを動力源として発電した電気と蓄電池の電気を,車両制御装置を介して車両走行試験装置の台車に装備された電動機に供給することで,この電動機を回転させて台車を走行させる.この場合,山間部が多いJR東海の非電化路線を念頭に,勾配などのさまざまな走行条件を再現し,実車試験よりもさらに充実したデータを,効率的に取得・分析する.
 燃料電池と水素エンジンは,それぞれ出力やエネルギー効率などの特性が異なるため,模擬走行試験などで,これらを動力源とした場合の鉄道車両の走行性能や,山間部が多く長距離となるJR東海の非電化路線への適合可能性などを検証する.
 試験は2023(令和5)年11月に燃料電池を活用した模擬走行試験を開始し,2024(令和6)年度以降に水素エンジンを活用した模擬走行試験を行なう.

画像はいずれもJR東海ニュースリリースから

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