西武鉄道は,環境負荷の少ない他社からの譲受車両「サステナ車両」の授受について,東急電鉄および小田急電鉄と連携することに合意したと発表した.これにともない東急電鉄は9000系を,小田急電鉄は8000形を,西武鉄道へ譲渡する.
「サステナ車両」とは西武鉄道独自の呼称として定義するもので,他社から譲受したVVVFインバータ制御車両を指す.導入予定車両数は約100両で,多摩川線・多摩湖線・西武秩父線・狭山線に東急9000系を,国分寺線に小田急8000形をそれぞれ導入する.
車両は2024(令和6)年度から2029(令和11)年度にかけて順次導入予定で,2024(令和6)年度に営業運転を開始するのは小田急電鉄8000形.東急電鉄9000系については,2025(令和7)年度以降に営業運転を開始する予定.これにより,西武鉄道では,池袋線・新宿線などの本線系への新造車両の導入に加え,国分寺線や西武秩父線などの支線系に「サステナ車両」を導入することで省エネルギー化を加速し,2030(令和12)年度までに車両のVVVF化100%達成を目指す.
「サステナ車両」100両を導入することで,VVVF化100%による使用電力量削減にともなうCO2排出の削減量は,2030(令和12)年度時点での想定で,年間約5700t(約2000世帯の年間排出量)となり,旧形車両(直流モータ車)と比較して,使用電力量は約50%削減される.
また,車両のリユースによるCO2削減については,新車製造時に排出するCO2が約9400tの削減(1両あたり 約94t・100両合計),車両廃棄時に排出するCO2が約70tの削減(1両あたり 約0.7t・100両合計)となる.
詳しくは,西武鉄道・東急電鉄・小田急電鉄 共同ニュースリリースに掲載されている.