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名鉄,鉄軌道旅客運賃の変更認可を申請

名古屋鉄道 9500系

写真:名古屋鉄道9500系  編集部撮影  犬山検査場新川検車支区にて  2019-10-1(取材協力:名古屋鉄道)

名古屋鉄道は,国土交通大臣に対し,2024(令和6)年3月を実施予定として,鉄軌道旅客運賃の変更認可を申請したと発表した.

 改定率は平均10.0%で,普通運賃については,利用の多い7kmまでの区間の改定率を抑える.改定後おもな区間の普通運賃(大人)は,1km〜3kmが180円(現行170円),最大の131km〜143kmでは2050円(現行1850円)などとなる.定期運賃の改定率については,通勤定期を11.6%とし,通学定期券は家計負担に配慮し運賃を据え置く.上記により平均で8.9%の増収率を見込んでいる.
 なお,知多新線・豊田線・羽島線・空港線における加算運賃については変更しない.名古屋本線の一部区間に設定している暫定運賃は,対象区間や設定額を区間ごとに見直し,認可後に特定運賃の届出を行なう予定.さらに過去の駅移設にともない設定していた特定運賃(上飯田駅・西ノ口駅・柳津駅を発着する一部区間)は,今回の改定にあわせて廃止し,通学定期を含め本来のキロ程に応じた運賃を適用する.

名古屋鉄道 2000系“ミュースカイ”

写真:名古屋鉄道2000系“ミュースカイ” 百々貴俊撮影

 特別車両料金(現行360円)については,申請運賃の認可後,料金改定の届出を予定している.改定後は基本料金を450円とし,閑散時間帯割引料金(平日9時台〜16時台と土休日全時間帯)を300円,車内精算料金を500円に設定する.
 閑散時間帯割引料金は,「名鉄ネット予約サービス」の利用者を対象に導入するもので,中部国際空港駅発着の利用は対象外となる.また車内精算については座席指定が可能となる.

名古屋鉄道 4000系

写真:名古屋鉄道4000系  編集部撮影  尾張旭検車区にて  2008-8-24(取材協力:名古屋鉄道)

 名鉄がおもな事業エリアとする中京都市圏は,三大都市圏の中では人口密度の低さやマイカー保有率も高いことから,移動における公共交通の分担率が低水準で,鉄軌道事業としては従前から厳しい環境であった.その中で1995(平成7)年の運賃改定以来,消費税率変更にともなう運賃改定を除き,運賃を据え置いてきたが,新型コロナウイルス感染症によるテレワークなど新常態の定着や,マイカー通勤などの輸送モードへの転換による通勤利用者の減少などで,輸送需要はコロナ前水準に戻らず,電力料金や資材価格の高騰による経費増加の懸念もあり,厳しい状況は今後も続くと見込んでいる.
 一方,鉄軌道事業を継続するためには,安全・安心・安定輸送の確保に必要な既存設備の更新に加え,社会環境の変化にあわせた投資が必要であるとし,今後も経費の削減などを継続するとともに,新常態の定着や経費増加が懸念される状況の中で,事業継続に必要な対応を着実に実施していくため,今回の運賃改定申請となった.

※写真はすべてイメージです.

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