JR東日本は,2023(令和5)年度の設備投資計画を発表した.設備投資額は連結(モビリティ・生活ソリューション)で7360億円,単体では6090億円を計画している.
新幹線では,山形新幹線にE8系を導入する.2024(令和6)年春に順次営業運転を開始する予定で,車椅子スペースの増設,全車への大形荷物置場設置など車内設備を充実させるとともに,営業最高速度を300km/hとし,所要時間を短縮する.
新幹線福島駅では,山形新幹線(上り)から東北新幹線(上り)に,立体交差で接続するアプローチ線の増設工事を進める.山形新幹線と東北新幹線が平面交差する現在の状況を解消し,輸送の安定性をさらに高める.
在来線では,中央快速線へのグリーン車の導入に向けた工事や車両の新造を行ない,東京駅や宇都宮線・高崎線・常磐線方面から羽田空港にアクセスする羽田空港アクセス線(仮称)については,工事に着手する.
安全・安定輸送のレベルアップを目的として,大規模地震対策や新幹線降雨防災対策や,踏切事故対策や運転保安装置整備拡大などの安全対策を実施し,ホームドアについては,京浜東北線 大宮駅,中央・総武緩行線 東中野駅,南武線 登戸駅,横浜線 八王子駅などで整備を行なう.
まちづくりでは,「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置づけ,高輪ゲートウェイシティ(仮称)のまちづくりを進める.大井町エリアでは,大井町駅周辺広町地区開発(仮称)として,エリア全体のにぎわいと回遊性の向上につなげるとともに,災害に強く環境に配慮したまちづくりを進める.大井町駅では開発エリアに直結する広町改札(仮称)や北口(仮称)の新設工事が行なわれる.幕張豊砂駅では,駅前のにぎわいの拠点づくりや回遊性向上を目的とした駅前開発を進める.歩行者ネットワークの整備完了とホテル開業は2024(令和6)年春の予定.国立駅では南口において,「nonowa国立 SOUTH(仮称)」の開業を2024(令和6)年春に予定している.JR東日本グループ初の木造商業ビルを建設し,積極的に木材を使用することで,二酸化炭素の固定化や森林資源の循環利用の促進に貢献する.
地方中核都市と連携したまちづくりとして,仙台駅からの仙台駅北部高架下空間への連続性を確保し,駅との回遊性向上と収益力向上を目的に,仙台駅北部高架下開発を進め,2023(令和5)年冬の全面開業を目指す.新潟駅では,高架化によって生み出された高架下空間に商業施設の開発を進め,2024(令和6)年春の全面開業を目指す.青森駅では旧青森駅東口駅舎跡地を活用した駅ビルの開発を行なう.
Suicaについては,「センターサーバー方式」を採用した新しい改札システムを導入するほか,北東北(秋田,青森,盛岡各エリア)を対象にSuicaを利用できる駅を拡大し,気仙沼線・大船渡線BRT,芳賀・宇都宮LRTなどでは,地域連携ICカードを導入する.このほか,地域や観光客が利用できるMaaSの利用エリアの拡大や,JR東日本アプリ・「Ringo Pass」の開発を継続し,「ストレスフリーな移動」の実現を目指す.このほか,「JRE POINT」のサービス拡充を進める.
詳しくは,JR東日本ニュースリリースに掲載されている.
一部の画像はJR東日本ニュースリリースから