JR西日本は,2021(令和3)年4月に策定した環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」におけるおもな取組分野のうち,「地域との連携による脱炭素社会実現への貢献」と「新技術による鉄道の環境イノベーション」に資する取組として,水素利活用実現に向けた検討を進めると発表した.
水素利活用計画として,駅などの鉄道アセットを活用した総合水素ステーションを設置し,燃料電池列車やバス,トラック,乗用車に対する水素供給とJR貨物の貨物列車による水素輸送の拠点としての活用を検討する.自治体や企業と連携した水素利活用により,グリーンで持続可能な交通ネットワークを実現するとともに,JR西日本が水素の利用や供給,輸送といったサプライチェーンに関与する水素のプラットフォーマーとなることで,地域の水素利活用展開およびCO2排出削減への貢献を目指す.
JR西日本は,このような地域との連携による水素利活用について,かねてから姫路港などの次世代エネルギー導入や脱炭素化を目的とした兵庫県の産官学連携組織である「播磨臨海地域カーボンニュートラルポート推進協議会」に参画し検討している.その内容は同協議会において策定・公表された「播磨臨海地域カーボンニュートラルポート形成計画骨子」に反映されている.
また化石燃料である軽油を燃料として走行する気動車(ディーゼルエンジン動力)の将来の置換を目指し,燃料電池列車導入に向けた開発を実施する.燃料電池列車の導入は,「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」における「新技術による鉄道の環境イノベーション」に位置付ける取組として,2050(令和32)年のCO2排出量「実質ゼロ」の実現に寄与するものとしている.
画像:JR西日本提供