国土交通省は,南阿蘇鉄道などから申請のあった鉄道事業再構築実施計画について,「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」第24条第2項にもとづき,認定を行なったと発表した.
計画期間は,2023(令和5)年4月1日(土)から2033(令和15)年3月31日(木)までの10年間で,現在,第一種鉄道事業者として南阿蘇鉄道が経営する高森線については,南阿蘇鉄道が第二種鉄道事業者として鉄道事業の営業・運営に専念し,輸送と利用促進を行なう.また,一般社団法人南阿蘇鉄道管理機構が第三種鉄道事業者として,鉄道資産の保有と適切な管理を行なう.これにより,南阿蘇鉄道高森線の安定的な輸送・維持を図ることとなる.
計画では,安全な輸送サービスの確保として,鉄道施設・車両の改修・更新の実施に10年間で21億円,鉄道施設の維持修繕の充実に同4億円を充てる.また旅客鉄道事業の経営改善策として,乗り入れによるJR豊肥本線との接続強化やP&R用駐車場整備などによる立野駅周辺整備事業,駅舎建替えなどによる高森駅周辺の再開発,バス・乗合タクシーなど二次交通網との結節強化が盛り込まれている.
なお2016(平成28)年4月の熊本地震の影響により不通となっている南阿蘇鉄道(立野—中松間)については,2023(令和5)年7月15日(土)に運転を再開する予定で,中松—高森間とあわせて,7年3ヵ月ぶりに全線での運転を再開する.
画像はいずれも国土交通省 鉄道局鉄道事業課発表資料から