東京地下鉄(東京メトロ)は,2022(令和4)年11月から丸ノ内線の一部区間(四ツ谷—荻窪間)において,無線式列車制御システム(CBTCシステム)の走行試験を開始したと発表した.
CBTCシステムは,列車の安全・安定運行を制御するために無線通信技術を利用する信号保安システムのひとつで,地上装置が先行列車の位置などから後続列車が走行可能な位置を算出し,無線を介して後続列車に伝え,後続列車は自ら走行可能な速度を計算して運行を制御する.無線通信を使用することで,列車の間隔の短縮が可能となり,高い遅延回復効果が得られるなど運行の安定性が向上する.
また,機器の二重化など設備構成を冗長化することで,システム全体の信頼性が向上するとしている.
今後は,2023(令和5)年6月にCBTCシステムにおける乗務員の操作訓練を開始し,同9月中に丸ノ内線の営業線全区間における走行試を験開始する.2024(令和6)年には,丸ノ内線でCBTCシステムによる営業運転を開始し,2026(令和8)年度中には,日比谷線でも「CBTCシステム」での営業運転を開始する予定.
画像はいずれも東京メトロ提供