JR西日本は,2025(令和7)年に開催予定の「大阪・関西万博」のアクセス輸送に関連し,桜島線(JRゆめ咲線)の増発や大阪環状線 弁天町駅の改良の改良などについて発表した.
「大阪・関西万博」に向けたアクセス輸送は,公益社団法人 2025年日本国際博覧会協会が設置する「2025年日本国際博覧会来場者輸送対策協議会」において,交通事業者の一員としてJR西日本グループも参画しており,2022(令和4)年10月には万博協会から「万博来場者輸送具体方針(アクションプラン)」が公表されている.
アクションプランでは,夢洲まで直通予定の大阪市高速電気軌道 中央線を筆頭に,JR西日本グループでは桜島線(JRゆめ咲線)を活用した「鉄道+シャトルバス」が主要ルートのひとつとして位置づけられている.これにあわせて,桜島線(JRゆめ咲線)においては,万博来場者数を踏まえ,列車本数を1時間あたり最大12本とするほか,新大阪駅から,うめきた(大阪)駅を経由し,桜島駅まで直通する臨時列車を設定する.
桜島駅では,駅からシャトルバスへの乗換安全性を向上するため,万博開催期間限定で駅改良を実施し,西九条駅についてもホームの安全性を向上するため,万博開催までにホーム柵を整備する.
桜島駅から万博会場までのシャトルバス輸送については,西日本ジェイアールバスと連携し,関西バス事業者の協力を得ながら運行を予定する.
大阪環状線の弁天町駅については,既存施設の老朽化やバリアフリー課題の解消と来場者輸送における乗換安全性を向上するため,2022(令和4)年内に改良工事に着手する.工事の完成は万博開催前の2025(令和7)年春を目指す.
既存の南北改札の間に位置する場所に新駅舎を整備し,新しい改札口(仮称:新南口・新北口)が設置される.万博開催期間中は,既存の南北改札口を活用することで安全性を向上し,万博終了後は,新駅舎に設置される改札口に機能を集約する.また,昇降設備(エレベータ・エスカレータ)や,バリアフリートイレを設置する.
大阪市高速電気軌道との共同事業として,大阪市高速電気軌道 中央線「弁天町駅東口改札」へ接続する連絡通路を整備する.あわせて連絡通路と接続する,大阪環状線 弁天町駅内回りホーム改札(仮称:内回りホーム口)を新設する.
このほか,持続可能な万博開催を目指し万博協会が取り組む「カーボンニュートラル」の実現に向けて,桜島線(JRゆめ咲線)の列車・駅・直通臨時列車のカーボンニュートラル化や,桜島駅から万博会場までのシャトルバスを,EVバスなどにより運行する.これにより,桜島線(JRゆめ咲線)の万博輸送ルートを脱炭素に資する「ゆめ咲グリーンルート」としての運行を目指す.
一部画像はJR西日本提供