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特集 新幹線最前線2025
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日立レール,カナダの地下鉄事業を共同受注
〜車両,鉄道システム,運行・保守をコンソーシアムで提供〜

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日立レール,カナダの地下鉄事業を共同受注

▲新形車両の外観イメージ

日立製作所のグループ会社である日立レールは,カナダのオンタリオ州でインフラを管轄するInfrastructure Ontario(インフラストラクチャー・オンタリオ)とトロント市近郊の交通を管轄するMetrolinx(メトロリンクス)から,Connect 6ix(コネクトシックス)コンソーシアムのリーダーとして,地下鉄オンタリオ線向け車両,鉄道システム,運行・保守を共同受注したと発表した.契約金額は90億カナダドル(約9500億円)となる.

 プロジェクトは車両,鉄道システムの納入だけでなく,30年間の運行・保守を行なうもので,日立の鉄道システム事業では,ヒューロンタリオライトレールトランジットプロジェクトに続き,カナダで受注した2件目の大形インフラプロジェクトとなる.日立レールは現在,北米に1200人以上の従業員がおり,100以上のプロジェクトに取り組んでいる.カナダでのビジネス拡大は日立の北米市場での成長戦略に沿ったもので,車両,信号,保守,デジタルソリューションのリーダーとして,日立は北米全域で鉄道システムの新設,改修に取り組む.
 オンタリオ線は,総延長15.6kmの新設路線で,エクシビション/オンタリオ・プレース—オンタリオ・サイエンス・センター間に15駅が設置され,そのうち8駅が地下に建設される予定.最短90秒の運転間隔で高頻度な高速輸送サービスを提供し,完全自動運転システム(GOA4レベル)の採用により,1時間・片方向当たり最大30000人を輸送する.輸送能力の増強に加え,都市間輸送を行うGO Transitの鉄道路線や,トロント地下鉄1・2・5号線(エグリントン・クロスタウン・ライトレール/建設中)など40以上の接続を行なう.
 また,最新式の無線式列車制御システム(CBTC)を導入することで,軌道,車両,コントロールセンターをシームレスにつなぎ,鉄道システムの全体管理を行なうほか,全自動で統合されたシステムにより,安全に列車間隔を短くすることで,加速や減速をより効率的に行ないエネルギー消費を削減する.

日立レール,カナダの地下鉄事業を共同受注

▲新形車両の車内イメージ

 導入される車両は最高速度80k/hmで,車内Wi-Fi,デジタル旅客情報システム,充電コンセント,自転車専用スペース,車いす用スペース(2台分),永久連結された編成,冷暖房設備,ホームドアと連動して開く車両ドア,回生ブレーキといった最新技術が採用される.また,オンタリオ線全駅のWi-Fiアクセス,案内デジタルサイネージ,ホームドアも納入される予定となっている.
 日立とコンソーシアムのメンバーのTransdev Canada Inc.は,列車運行の水準を高めるため,オンタリオ線のデジタルコントロールセンターと保守・保管のための施設を新設し,数百人規模の継続的な雇用を創出する予定.コンソーシアムでは,2023(令和5)年の着工に先立ち,採用活動を開始し,本プロジェクトのために800人以上の採用が予定されている.

契約金額は,1カナダドル=105円で計算
画像はいずれも日立製作所提供

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