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JR西日本,特急“やくも”に導入する273系のデザインを決定

JR西日本,特急“やくも”に導入する273系のデザインを決定

▲車両エクステリアデザイン

JR西日本では,2024(令和6)年春以降,特急“やくも”に導入する273系の車両デザインを決定したと発表した.

JR西日本,特急“やくも”に導入する273系のデザインを決定

 「沿線の風景に響き自然に映える車体,山陰の我が家のようにくつろげる温もりのある車内」をデザインコンセプトとし,エクステリアには,山陰本線や伯備線の風景に響き,自然に映える姿をイメージした鬱金(うこん)色・黄金(こがね)色・銅(あかがね)色・赤銅(しゃくどう)色からなる「やくもブロンズ」を採用する.

JR西日本,特急“やくも”に導入する273系のデザインを決定

▲インテリアデザイン(グリーン車)

 グリーン車は1列に3席配置(1+2席)とし,座席は明るく空間の広がりを感じられる黄色ベースに,富と長寿の象徴とされる亀の甲羅をイメージした「積石亀甲」模様をあしらい,亀にまつわる伝説や地名が多い山陰の文化・風土を演出する.

JR西日本,特急“やくも”に導入する273系のデザインを決定

▲インテリアデザイン(普通車)

普通車は1列に4席配置(2+2席)とし,座席は沿線の山々をイメージした緑色ベースに,古来から神事に用いられ,人を守る魔除けの意味もある「麻の葉」模様をあしらい,沿線の自然・風土を演出する.

JR西日本,特急“やくも”に導入する273系のデザインを決定

▲インテリアデザイン(グループ席)

 また鉄道車両の特性を活かし,大きな窓からの車窓が楽しめ,向かい合える座席構成,フラットにできるシート,大形テーブルと緩やかな仕切りで適度なプライベート空間とした「グループ席」を新たに設置する.なおデザイン監修は,「WEST EXPRESS 銀河」を手掛けたイチバンセン(デザイナー・川西康之氏)と近畿車輛株式会社デザイン室が行なう.

JR西日本,特急“やくも”に導入する273系のデザインを決定

▲ロゴ・シンボルマーク

 ロゴ・シンボルマークは,列車名のもととなった島根県東部の旧国名である出雲にかかる枕詞「八雲立つ」(やくもたつ)からイメージしたものを引き継ぐ.
 273系は,44両(4両×11本)を導入する予定で,新たに開発・実用化した,国内で初めてとなる「車上形の制御付自然振り子方式」を採用し,乗り心地の向上を図る.これは,車上の曲線データと走行地点のデータを連続して照合し,適切なタイミングで車体を傾斜させるもので,JR西日本と鉄道総合技術研究所,川崎車両で共同開発した.
 座席は座り心地を改善したものを採用し,座席間隔を拡大する.車椅子スペースの拡大や,多目的室の設置など幅広い利用層を意識して設備の充実を図る.車内Wi-Fi,全席コンセント,大形荷物スペースを設置するほか,空気清浄機の搭載,抗菌・抗ウイルス加工による安心した車内環境を提供する.
 また,防犯カメラの設置による車内セキュリティ向上や,車体の衝突安全対策,機器の二重系化に加え,よりエネルギー変換効率に優れたVVVF制御装置やLED照明などの採用により,省エネ化を図る.

画像はいずれもJR西日本提供

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