阪神電気鉄道は,持続的にバリアフリー設備の整備と更新を進めるため,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した料金設定と整備計画を定め,国土交通省近畿運輸局に提出したと発表した.
阪神電気鉄道ではこれまでに,国や沿線自治体からの協力により,大阪梅田駅(1番線)と神戸三宮駅への可動式ホーム柵設置やエレベータ・バリアフリートイレの整備,車両への車いす・ベビーカースペース,車両間転落防止ほろ,車両案内表示装置の整備に加え,駅係員の接遇力向上などハード・ソフトの両面で,さまざまなバリアフリー化施策を行なってきている.
今後は,さらなるホームの安全性向上を図るため,2042(令和24)年度ごろを目途とした全駅への可動式または固定式ホーム柵の整備を目指し,計画を進めるとしている.また,すでに設置済みのエレベータ,エスカレータなどの段差解消施設やバリアフリートイレなどについても,適切な更新・維持管理に取り組む.
なお,段差解消・バリアフリートイレの未整備駅については,敷地が狭隘など立地に制約があるとしているが,整備に向けて引き続き検討を進める.
現行運賃への加算額については,神戸高速線を除く阪神線全線を対象に,大人運賃では10円,通勤定期では1ヵ月380円・3ヵ月1080円または1090円,6ヵ月2050円または2060円を加算し,バリアフリー設備の整備費に充てる.なお,通学定期旅客運賃は対象外とし,小児旅客運賃は,鉄道駅バリアフリー料金加算後の大人旅客運賃の半額とする.料金制度の活用は,2023(令和5)年4月1日(土)からの予定.
一部写真は阪神電気鉄道提供