京阪電気鉄道は,持続的にバリアフリー設備の整備と更新を進めるため,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した料金設定と整備計画を定め,国土交通省近畿運輸局に提出したと発表した.
京阪線(60駅)では,エレベータ・スロープなどによる段差解消やバリアフリートイレ(多機能トイレ),ホームドアの設置,車両への車いすスペースの設置などハード面の設備整備に加え,社員のサービス介助士資格の取得やバリアフリー研修の実施などソフト面の取組も行なってきている.
2025(令和7)年度末までのバリアフリー設備の整備・更新として,ホームドアを計4駅8番線に整備する計画で,2023(令和5)年度は枚方市駅への設置が予定されている.テレビ電話機能付きインターホンを京阪線全駅に設置し,利用客と駅係員がお互いの表情やようすを確認しながら対話できるようにするほか,目の不自由な方と筆談でコミュニケーションを取れるようにする.駅放送システム更新による放送内容の充実や行先表示器の新設などにより,運行情報の提供強化も進める.エレベータは3駅6基の更新を進め,既存のバリアフリー設備についても,必要な更新や維持管理を行なう.
現行運賃への加算額については,大津線と鋼索線を除く京阪線全駅を対象に,大人旅客運賃では10円,通勤定期旅客運賃では1ヵ月370円,3ヵ月1050円または1060円,6ヵ月1990円または2000円を加算し,バリアフリー設備の整備費に充てる.なお,通学定期旅客運賃は対象外とし,小児旅客運賃は,鉄道駅バリアフリー料金加算後の大人旅客運賃の半額とする.料金制度の活用は,2023(令和5)年4月1日(土)からの予定で,鉄道駅バリアフリー料金を加算した運賃に関する詳細は,後日改めて発表する.
京阪線各駅のバリアフリー設備の状況などについては,京阪電気鉄道のページに順次掲載される.
一部写真は京阪電気鉄道ニュースリリースから