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小田急,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した設備整備を実施へ

小田急5000形

写真:小田急5000形  編集部撮影  唐木田車庫にて  2019-11-11(取材協力:小田急電鉄)

小田急電鉄は,持続的にバリアフリー設備の整備と更新を進めるため,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した整備計画を定め,国土交通省に提出したと発表した.

小田急,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した設備整備を実施へ

▲ホームドア

小田急,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した設備整備を実施へ

▲段差・隙間縮小の設備

 小田急電鉄ではこれまでにも,駅構内におけるバリアフリー化に向け,段差を解消するエレベータ等の昇降機やスロープの設置による円滑な移動の実現をはじめ,バリアフリートイレの全駅への設置など,各種バリアフリー設備の整備を実施している.また,ホーム上の事故を未然に防止するホームドアは,新宿駅など1日あたり10万人以上の利用がある駅において優先的に整備し,すでに8駅に導入している.2022(令和4)年度には本厚木駅において,特急車両にも対応したホームドアの導入を計画している.

小田急,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した設備整備を実施へ

▲バリアフリー設備の整備計画

 「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した整備計画では,2032(令和14)年度を目標に,小田原線の新宿から本厚木までの各駅と,江ノ島線の中央林間,大和,藤沢の計37駅107番線への整備完了を目指す.このうち,一部ホームが未了の新宿駅を除く7駅では整備が完了しており,2022(令和4)年度以降,30駅85番線にて新規または追加での整備を行なう.また,2033年度以降の整備計画は,決まり次第発表するとしており,上記以外にも,各駅の状況や関係自治体との協議を踏まえ,整備を検討する.

小田急,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した設備整備を実施へ

▲ホームドア整備のイメージ

 ホームドア整備にあわせて,ホームと車両の間にある段差・隙間を縮小することを目的に,ホームの嵩上げや櫛ゴムの整備などを,2032(令和14)年度までに96番線で実施する.また,老朽化している昇降機については2032(令和14)年度までにエレベータ42基,エスカレータ33基を更新することで安全性を確保する.運行情報提供設備についても順次更新を行ない,利便性維持に向けた適切な管理に努める.

小田急,「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した設備整備を実施へ

▲運賃への加算額

 現行運賃への加算額については,小田急線全線(小田原線・江ノ島線・多摩線)を対象に,普通旅客運賃では大人10円(ICカード・きっぷ共通),通勤定期旅客運賃では1ヵ月600円,3ヵ月1710円,6ヵ月3240円を加算し,バリアフリー設備の整備費に充てる.なお,小児IC運賃と通学定期旅客運賃は対象外とする.料金制度の活用は,2023(令和5)年3月ごろからの予定.

写真・画像はいずれも小田急電鉄提供

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