大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)は,2022(令和4)年7月22日(金)から,中央線の新形車両30000A系の運転を開始すると発表した.
中央線への新形車両の導入は約27年ぶりで,2025(令和7)年の「大阪・関西万博」開催を見据えた輸送力増強用として,2022(令和4)年度中に計10本が導入される予定.運転区間は,中央線のコスモスクエア—長田間と,相互直通運転を行なう近鉄けいはんな線の長田—学研奈良登美ヶ丘間となる.
30000A系は,2011(平成23)年に御堂筋線で運転を開始した30000系を中央線向けとしてさらに改良したもので,車両の低床化や優先座席の明確化など,大阪市高速電気軌道が進めているバリアフリー化を踏襲する.また,車内の乗降口上部にワイド液晶ディスプレイを設置し,乗換案内や駅設備案内などをわかりやすく表示し,4か国語による案内を行なう.
車両外観はこれまでの号線色帯を改め,大阪のにぎわいと人々の輝く姿をドットでシンボル化し,今まで以上に人・街・乗り物が有機的につながりあう,これからの新しい未来を,スパークルドットとして表現している.それぞれのドットの意味として,ホワイトは街ゆく人々,アースグレイは街並み,グリーンは大阪市高速電気軌道の車両を表している.
また,未来社会をゴールドで表現し,そこに存在するすべての要素が多様性をもってランダムに「集まる」「つながる」ことをイメージしている.
車内は,腰掛の表布は背と座面で色を切り替え,背をゴールドイエロー,座面をターコイズブルーとし,車内照明はLED照明とし,車内全体が明るく軽やかに,また,さわやかな車内となるようにしている.荷棚の高さについては,これまでの車両よりも100mm下げることで,利用しやすくしている.
御堂筋線30000系と同様に,乗降口横のスペース拡大や空気浄化装置の設置,防犯カメラの搭載,2台のワイド液晶ディスプレイによる車内案内表示,車内Wi-Fiを導入する.
バリアフリーの取組として,近年の新造車両と同様に床面高さを40mm下げ,ホームとの段差を縮小している.ドア部の床には黄ラインを入れ,乗降口を識別するとともに,ドアの開閉をチャイムとドア上部のランプの点滅で知らせる.
優先座席部のつり革・手すりはオレンジ色とし,背を一般座席と異なる色とすることで,優先座席をより識別しやすくしている.また,開いているドアの位置を知らせる誘導鈴を設置している.
写真はいずれも大阪市高速電気軌道ニュースリリースから