大阪ガスとJR西日本は,湖西線沿線において,両社が共同開発した強風予測システムを試験導入すると発表した.
両社は,2019(令和元)年から強風予測に関する共同研究を行なっており,大阪ガスの気象予測技術と,JR西日本のAI開発技術を掛け合わせることで,これまでよりも高精度に強風予測ができるシステムを開発し,湖西線沿線において試験導入を行なうための契約を締結した.
試験は湖西線沿線のうち,大津京駅から近江塩津駅周辺で実施され,大阪ガスが行なう高解像度気象予測の結果データを,JR西日本が開発したAIモデルで解析し,24時間先までの風速・風向を予測する.
今後,湖西線で強風が見込まれる場合における列車運行の安全性のさらなる向上や,運転規制時(運転見合わせや徐行)における代行輸送の確保と乗客への円滑な周知を目指し,本導入に向けて検証を進める.また,ほかの路線や鉄道会社への展開,道路関係事業者などの風により影響を受ける分野への展開も視野に入れている.
大阪ガスは,2008(平成20)年から独自手法による気象予測を開始し,AIの活用による精度向上にも取り組んでいる.2018(平成30)年には気象予報業務の許可を取得しており,本件はそれを活用したサービスの第一号案件となる.
JR西日本は,2017(平成29)年から本格的にデータサイエンスの取組を開始している.2020(令和2)年には「データソリューション室」を設立し,データ分析やAIを用いた業務変革を進めている.
一部の写真・画像はJR西日本提供