日機装は,古河産業の協力のもと,深紫外線LEDを活用した除菌ユニットを近畿日本鉄道の新形一般車両内への搭載に向けて開発を開始したと発表した.
日機装は医療機器メーカーとして,2006(平成18)年からノーベル物理学賞受賞者とともに深紫外線LEDの開発に取り組み,2020(令和2)年1月からこの技術を活用した空間除菌消臭装置「Aeropure®(エアロ ピュア)」の販売を開始している.医療機関をはじめ,教育関連施設,宿泊関連施設,ビジネス関連施設や個人住宅など,幅広い分野での利用がある.
室内の空気を装置内に吸い込み,深紫外線の機能により清浄化された空気を放出する仕組みは換気との相性も良く,多くの業界で採用されている.また,深紫外線LEDは,従来技術の水銀ランプに比べ長寿命・小形・低環境負荷といった点で優位性を備え世界から注目されている.
古河産業は,感染対策として積極的に行なわれる「換気との共存」を重視した技術が,鉄道車両内の環境整備に活かせると考え,これまで培ってきた鉄道事業者とのリレーションを活かして鉄道向け「深紫外線LED除菌ユニット」の開発をサポートし,近鉄の新形一般車両への実装に向け,開発開始に至った.
今後は,鉄道一般車両向け「深紫外線LED除菌ユニット」と,関連するシステムの開発を行ない,近鉄の新形一般車両への搭載を目指す.また,ほかの鉄道車両への展開も引き続き検討するとしている.
画像:鉄道車両向け「深紫外線LED除菌ユニット」のイメージ(日機装提供)
※開発前製品につき,変更となる可能性があります.