JR東日本は,2022(令和4)年度の設備投資計画を発表した.設備投資額は連結(輸送サービス,生活サービス,IT・Suicaサービス)で6340億円,単体では5000億円を計画している.
新幹線では,2024(令和6)年春に営業開始を予定する山形新幹線用E8系の新造を進める.東北新幹線(盛岡—新青森間),上越新幹線(大宮—新潟間)のスピードアップに向けた工事を引き続き進める.在来線では,ワンマン運転の拡大やBRTの自動運転の実施に向けた対応など,持続可能な輸送サービスづくりを進める.
中央快速線では,グリーン車の導入に向けた工事や車両の新造を進める.なお,グリーン車両の新造計画については,世界的な半導体不足の影響を受けており,2023(令和5)年度末を予定していたサービス開始時期は,少なくとも1年程度遅れる見込みとしている.具体的なサービス開始時期については,決まり次第,発表する.
また,大規模地震対策や新幹線降雨防災対策を進めるほか,踏切事故対策や運転保安装置整備拡大などの安定輸送対策も実施する.
駅ホームの安全性向上を目的に進めているホームドア整備については,京浜東北線の日暮里駅や中央・総武緩行線の飯田橋駅,南武線の登戸駅などで使用が開始される予定.ホームドアの整備は,エレベータなどの整備とともに鉄道駅バリアフリー料金制度を活用する.
首都圏においては,駅係員がきめ細かな案内に注力できるよう,複数駅の改札窓口において,案内AIシステムの試行導入と非対面によるICカードの遠隔精算の実用化に向けた検証を行なう.新潟地区では,新潟市が進める新潟駅周辺整備事業の一環として,2022(令和4)年6月の新潟駅在来線全線高架化などに関する工事を進める.
まちづくりでは,目黒地区の「MEGURO MARC」(賃貸住宅棟:2022年10月竣工予定)の工事や,「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」などでのまちづくりを進める.また,東京駅の「グランスタ八重洲北」(2022年4月以降順次開業)などのエキナカリニューアルや駅ビル・ホテル開発,シェアオフィス事業「STATION WORK」の展開を進め,沿線価値の向上を目指す.
地域や観光客向けの次世代モビリティサービス「MaaS」(モビリティ・アズ・ア・サービス)の利用エリアを拡大するほか,「JR東日本アプリ」や「Ringo Pass」の開発を継続し,検索・手配・決済などのサービスを充実させる.また,「JRE POINT」のサービス拡充を進める.このほか,地域連携ICカードを利用できるバス事業者などを拡大する.2022(令和4)年5月には山形・庄内エリアで,2023(令和5)年春には宇都宮ライトレールでのサービス開始を予定している.
詳しくは,JR東日本ニュースリリースに掲載されている.
一部の画像はJR東日本ニュースリリースから