高松琴平電気鉄道(ことでん)は,2022(令和4)年4月16日(土)の始発から,志度線(瓦町—琴電志度間/12.5km)において,ワンマン運転を開始すると発表した.
ことでんでは,モータリゼーションの進展や少子化による沿線人口の減少,また新型コロナウイルスの感染拡大などによる旅客人員の減少で経営環境が非常に厳しい状況にあるとし,これまでにも駅関係業務の効率化・省力化や,保安設備の向上を図りながら運転関係業務の省力化にも努めてきた.また,技術部門においても機械化,外注化,設備の延命化などにより,鉄道運営コストの削減を実施してきた.今後についても新しい生活様式が定着し,輸送需要の伸びを期待することは難しく,さらには人件費を含む運営コストの増加が避けられない状況にあるなど,経営環境はなお一層厳しくなることが予想されるとしている.
このような状況を踏まえ,志度線でのワンマン運転の検討を開始するとともに,ワンマン運転に向けた安全設備の整備や,安全性の検証を実施し,これらの安全が確認できたため,ワンマン運転を開始する.
乗車時はこれまでどおり,切符購入またはICカードを簡易改札機にタッチして乗車する.降車時は,これまで運転士または車掌が切符を集札していたが,車掌が乗務しないため,切符または運賃を運転士に渡すか,各駅に設置される集札箱に入れる.なお,ICカードについては,これまでどおり簡易改札機にタッチする.
安全対策としては,全駅ホームにホームミラーを設置し,列車の出発時にホームの安全確認を行なう.瓦町駅には,ホーム非常通報装置を設置し,利用客がホームから転落した場合など列車停止の事態が生じた場合,非常ボタンを扱うことにより事故を未然に防止する.瓦町・今橋・琴電屋島・房前の各駅では曲線部にあるホームの笠石に,注意喚起のための黄色塗装を施したほか,全車両の車内には,緊急時の対応として,避難はしご,スロープ板を設置した.
乗降時の扉の取扱いについては,これまでと同様に乗車・降車時ともにすべての扉から乗降できる.志度線の運転本数については,ワンマン化後も変更しない(上下あわせて平日86本・休日80本).また3両編成で運行している列車は,車掌が乗務するため,これまでどおりの取扱いとする(お盆や年末年始など利用者の減少が見込まれる場合を除く).
画像は高松琴平電鉄のページ・高松琴平電鉄ニュースリリースから