近畿日本鉄道とヤンマーホールディングス(ヤンマー)は,長居公園と長居植物園のリニューアルにあわせて,植物園の北東ゲートから最も近い駅である南大阪線の針中野駅をリニューアルすると発表した.
近鉄が民間企業と協力して駅をデザインすることは初めての試みであり,ヤンマーも駅という公共空間をデザインすることは初めての取組となる.リニューアルにあたっては,2021(令和3)年4月に東住吉区が「東住吉区まちづくりビジョン」を策定したことを機に,近鉄とヤンマーのグループ会社で長居公園の指定管理事業者であるわくわくパーククリエイト(WPC)が地域と連携した施策を双方で検討を進めてきた.
近鉄は,駅という空間を通して,地域住民とのコミュニケーションを深めていきたいという思いがあり,WPCは地域の大きな魅力である長居公園の素晴らしさやこれからの変化に対する期待感を地域全体に広めたいとの思いから,ヤンマーのデザイン部門と近鉄による駅デザインのリニューアルを実施することとなった.
デザインコンセプトは,駅利用者が長居公園・植物園のわくわくを感じられるよう,長居公園・植物園のロゴを構成している丸や楕円などの図形を使用し,植物や虫を表現する.また駅の柱を木に見立てるなど,構造物を利用してデザインし,駅全体で園のイメージを伝える.このほか,針中野駅の副駅名として<長居公園 植物園前>を導入し,近鉄で長居公園へ行けることを広く周知する.
リニューアル工事は2022(令和4)年2月から着工しており,3月にはシェアサイクルポート(レンタル自転車借り出し・乗捨て指定場所)が設置された.今後は,4月にホーム階の美装化や情報発信スペースの設置を行ない,7月にコンコース階とトイレの美装化を実施する予定.
画像はいずれも近畿日本鉄道・ヤンマーホールディングス提供