JR西日本は，特急“やくも”のサービスレベルや輸送品質のさらなる向上のため，新形車両273系を44両（4両×11本）導入すると発表した．
　273系は，新たに開発・実用化した，国内で初めてとなる「車上形の制御付自然振り子方式」を採用し，乗り心地の向上を図る．これは，車上の曲線データと走行地点のデータを連続して照合し，適切なタイミングで車体を傾斜させるもので，JR西日本と鉄道総合技術研究所，川崎車両で共同開発した．
　座席は座り心地を改善したものを採用し，座席間隔を拡大する．車椅子スペースの拡大や，多目的室の設置など幅広い利用層を意識して設備の充実を図る．車内Wi-Fi，全席コンセント，大形荷物スペースを設置するほか，空気清浄機の搭載，抗菌・抗ウイルス加工による安心した車内環境を提供する．
　また，防犯カメラの設置による車内セキュリティ向上や，車体の衝突安全対策，機器の二重系化に加え，よりエネルギー変換効率に優れたVVVF制御装置やLED照明などの採用により，省エネ化を図る．
　273系は，2024（令和6）年春以降，岡山—出雲市間で営業運転を開始する予定．
　この273系導入と伯備線で特急“やくも”の運転開始50周年を記念して，381系1編成（6両）の塗装を国鉄特急色に変更して運転する．運転開始日は2022（令和4）年3月19日（土）で，特急“やくも”8・9・24・25号が対象列車となる．

画像：新形車両イメージ（詳細仕様，デザインは検討中／JR西日本ニュースリリースから）